2007 Fiscal Year Annual Research Report
イソキノリンアルカロイド生合成系遺伝子ネットワークの全容解明とその応用
Project/Area Number |
16208011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 文彦 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (10127087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊福 健太郎 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (50359783)
吉松 嘉代 独立行政法人医薬基盤研究所, 薬用植物資源研究センター築波研究部, 育種生理研究室長 (20184418)
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Keywords | イソキノリンアルカロイド / 代謝ネットワーク / 包括的転写制御 / 代謝工学 / 一過的RNAi / 代謝系再構築 |
Research Abstract |
1)インキノリンアルカロイド生合成系の新規酵素遺伝子の単離を試み、Cheilanthifoline合成酵素の同定に成功した。また、CYP80G2の基質特異性の解析を進め、同遺伝子産物がC-C結合反応とともに、脱メチル化反応を触媒しうることを様々な基質を用いた解析から明らかにした。2)得られた生合成酵素を組み合わせ、大腸菌内で発現させることにより、ドーパミンを基質として、レチクリンを試験管内で生産できることを明らかにした。3)さらに、前記の反応系にCYP80G2を発現する酵母を加えることによりマグノフロリンをドーパミンから合成できることを明らかにした。これらの成果は植物アルカロイド生合成系を試験管内で再現した初めての成果である。4)CYP719A3の発現抑制によりハナビシソウ培養細胞においてCheilanthifolineを蓄積できることを明らかにした。5)生合成酵素遺伝子の発現制御系を解明することを目的にいくつかの生合成酵素のプロモータ領域の解析を進め、CYP80B2遺伝子の翻訳開始点から上流-645〜-540bpの領域に強い発現活性化領域が存在すること、また、この領域に相互作用する因子がオウレン核抽出液中に存在することを明らかにした。6)CYP80B2遺伝子の上流-645〜-540bpの領域と核抽出液の相互作用は、bHLH因子に対する抗体によりスーパーシフトしたことから、相互作用へのbHLHの関与が推測された。7)4'OMTあるいはGUS遺伝子の過剰発現ベクターを導入したオウレン形質転換植物の解析から、オウレン植物では4'OMTの過剰発現により有意にイソキノリンアルカロイドの生産性が増大することを認めた。8)以上の成果をまとめ、イソキノリンアルカロイド生合成系の代謝工学のための総合戦略を取りまとめた。
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