2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳内老化制御における酸化ストレスバイオマーカーの確立と抗酸化食品因子による予防
Project/Area Number |
16208013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大澤 俊彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00115536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 宜督 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (60324381)
丸山 和佳子 国立長寿医療センター, 老年病研究部, 部長(研究職) (20333396)
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Keywords | アルツハイマー病 / パーキンソン症 / 脳内老化 / 酸化ストレスバイオマーカー / DHA / モノクローナル抗体 / 抗酸化食品因子 / ゴマリグナン |
Research Abstract |
脳内老化に基づいた酸化ストレスに対する新規バイオマーカーの探索を行い、それらをプローブとした評価法を構築して分子レベルにおける酸化ストレス傷害発現機構の解明と予防の評価法確立のため、免疫化学的なアプローチを中心にマーカーの特異的微量定量法を確立し、酸素ラジカルにより誘導される生物ラジカル反応、特に生体内脂質過酸化反応の動的解析を行うことを目的として研究を行った。特に、脳内に多く存在し、記憶や視覚に必須なDHAやアラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸を対象に脳内酸化ストレスバイオマーカーとなりうるPRLやSULやHELなどの新規な酸化修飾化合物の構造を明らかにし、LC-MS/MSによる測定法の確立と共にモノクローナル抗体の作製に成功し、ラットの脳内で、老化に伴い増加することを明らかにした。さらに、過剰な炎症反応の結果生じるタンパク質やDNAのニトロ化やハロゲン化反応にも着目し、特に、新しいハロゲン化チロシンやデオキシシチジンに特異的なモノクローナル抗体の作成に成功した。そこで、これらの抗体を用いて、パーキンソン病やアルツハイマー病患者の脳脊髄液を採取し、パーキンソン病に関してはα-synuclein(αSyn)、アルツハイマー病に関してはβ-amyloid(Aβ)タンパク質中でもこれらの新規な酸化修飾物が検出されることを見出し、現在、これらマーカーが疾病の活動度や病期とどのような関連をもつかを明らかとし、発症予防さらなる臨床応用可能な治療マーカーの同定を目指している。さらに、脳内酸化傷害や黒質ドパミン神経細胞の細胞死を防御する食品機能因子を開発することを目標に、ハーブ、スパイス中の抗酸化食品因子を用いてヒトレベルでの効能評価を目的として検討を行い、ゴマリグナンの生体内代謝物であるセサミノールカテコール化合物の抗酸化的防御機構について新たな知見を得ている。
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Research Products
(6 results)