2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳内老化制御における酸化ストレスバイオマーカーの確立と抗酸化食品因子による予防
Project/Area Number |
16208013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大澤 俊彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00115536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 和佳子 国立長寿医療センター, 老年病研究部, 部長(研究職) (20333396)
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Keywords | 脳内老化抑制 / アルツハイマー病 / パーキンソン病 / Aβタンパク質 / 高酸化食品因子 / 炎症反応 / テトラヒドロクルクミン / 抗体チップ |
Research Abstract |
1.免疫組織化学的解析法による脳内酸化ストレス傷害の解析を行うために、好中球のミエロペルオキシダーゼ(MPO)由来のOCl-によるA-beta-amyloid(Aβタンパク質)のハロゲン化修飾物を得ることに成功し、化学的な解析に成功した。 2.ドーパミンと脂質ヒドロペルオキシドとの反応で生成したアミド型構造を有するドーパミン修飾付加体の化学的な解析を行い、LC-MSおよびLC-MS/MSによる質量分析およびNMRによる構造決定に成功した。また、これらのドーパミン修飾付加体についてin vitroおよびラットの脳からLC-MS/MSを用いた検出法を確立し、ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Yを用いたドーパミン修飾付加体の毒性評価を核染色により行った結果、2つのドーパミン修飾付加体において、特に強力な細胞毒性を示すことが明らかとなった。 3.抗体チップの作製と検出系の確立を目的に、脳内における炎症反応など、新しい「酸化ストレス」バイオマーカーに特異的なモノクローナル抗体を集約的に集め、アゾポリマーを基板とするスライドへのインプリンティングの検討を行った。その結果、最大160スポットのモノクローナル抗体の搭載に成功し、μlオーダーで血液や尿、唾液などの素材で解析できる「抗体チップ」の作製の基盤的な研究を行った。 4.老化制御食品の開発を目的に、酵母老化関連遺伝子Sir2の活性の制御に関して、クルクミンやアントシアニン、レモンフラボノイドなどの抗酸化食品因子による老化制御の可能性の検討を行った。その結果、クルクミンの生体内代謝物であるテトラヒドロクルクミンに強力な老化制御作用が明らかになったので、現在、分子レベルでの作用の解明を進めており、今後、その結果を基に哺乳類老化モデルに対する効果を検証する予定である。
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Research Products
(8 results)