2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16208015
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 明義 信州大学, 農学部, 助教授 (10324237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久我 ゆかり 信州大学, 農学部, 助教授 (30232747)
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Keywords | マツタケ / ショウロ / クリタケ / アミガサタケ / チャナメツムタケ / 菌根性きのこの複合培養 / 里山 / ミニリゾトロン |
Research Abstract |
1.菌根性きのこの人工接種源の開発では,林地への応用化を図るため,より短期間に菌糸体増殖を可能にする培養法を検討した.炭素源を含む寒天層の上に窒素源を添加した土壌層を重層させた培養法により,両栄養源の至適組み合わせ(C/N比)のもとでマツタケならびにショウロの旺盛かつ迅速な菌糸増殖が可能な事がわかり,これら菌糸体を含む150mlの土壌塊を2ヶ月間で多量に調製することを可能にした. 2.菌根苗の作出では,マツタケ菌根合成時にエビオス(窒素源)を添加することで,苗の生育不良を回避できることを明らかにした.その他の菌根菌については,31種の菌根性きのこ類で菌根合成から苗の順化が可能な事が明らかになり,さらにシモフリシメジ,ミネシメジ,クマシメジの3種では子実体発生に成功した. 3.腐生性きのこの人工接種源の開発では,クリタケで確立した林地接種法による野外拡散効果を検証するため,接種源から土壌中に伸長する菌糸束を画像解析法(ミニリゾトロン法)と解剖学的手法により検証した.その結果,ポリリン酸を有する生組織からなる菌糸束が土壌中に拡散し,末端で菌糸体の扇状の広がりを形成し,効率的に土壌中の栄養を吸収し増殖・繁殖(子実体形成)する野外拡散の動態を明らかにできた.アミガサタケとチャナメツムタケでは土壌中での菌糸増殖様式を検討中である. 4.マツタケのシロをミニリゾトロン法で予備的に観察した結果,1ヶ月の調査期間でも菌糸増殖の有無を視覚化できる事を明らかにし,マツタケ人工接種源の林地接種において追跡調査の一手法になりうる事がわかった.
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Research Products
(6 results)