2006 Fiscal Year Annual Research Report
低コストで耐震性強化・環境配慮対策可能なため池改修技術の研究
Project/Area Number |
16208024
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
内田 一徳 神戸大学, 農学部, 教授 (80111946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 勉 神戸大学, 農学部, 教授 (20144602)
河端 俊典 神戸大学, 農学部, 助教授 (20335425)
井上 一哉 神戸大学, 農学部, 助手 (00362765)
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Keywords | ため池 / ジオシンセティックス / 大型土槽透水試験 / 透水試験 / 洪水吐 / 底泥改良土 / 試験堤 / 振動台実験 |
Research Abstract |
1.加古川市峠池中堤に昨年度3月に施工した試験堤の沈下量・間隙水圧・土圧に関する挙動計測を行った結果,ジオシンセティックスため池新工法の安全性ならびに施工時の問題点の抽出など,極めて有益な情報を得た。供用後に開削を行い,内部目視観察した結果,ジオシンセティックス周辺や柔構造底樋周辺などで異常箇所は全く観察されなかった。 2.ゼオライト水質浄化パネルを性能評価するために夏期2ヶ月にわたり水質測定を行った。また,試験施工期間終了後に現地から回収した凝灰岩ポーラスパネルと未使用のパネルの全窒素・全リンの成分分析を行った結果,水質浄化機能が有効に働いていることが確認できた. 3.ジオシンセティックスを用いたため池底泥改良土の透水特性を検討するために,新たに作製した大型土槽透水試験装置の性能試験を硅砂を用いて行った結果,動水勾配の増加とともに上流側のポテンシャル曲線に乱れが生じるもののジオシンセティックスの影響はほとんどないこと,こうした結果は大型三軸透水試験結果とほぼ一致することがわかった。 4.ため池洪水吐の振動特性を把握するために,4種類の洪水吐模型を対象としたため池堤体模型(2400mm×1900mm×800mm,勾配45°霞ケ浦砂)の大型振動台模型試験を行った。試験の結果,重量構造の従来型洪水吐は剥離・移動すること,軽量パネル構造の洪水吐は極めて高い耐震性を有していること,ジオシンセティックスによる補強の有無により洪水吐の変形応答が変化することなどがわかった。 5.ため池底泥土内の移行イオン系物質挙動を解明するため,底泥土と硅砂の層地盤を対象とした物質変位実験を実施した結果,底泥土層の物質通過により,流下方向に対して物質の粒子群は拡がり,横方向は逆に縮小すること,および底泥土層を構成する礫成分が20%以下であるならば,分散現象に大きく寄与しないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)