2004 Fiscal Year Annual Research Report
高精度3次元生体内部構造・成分情報に基づく最適凍結予測モデルの開発
Project/Area Number |
16208026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相良 泰行 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 俊郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10111569)
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80292754)
杉山 純一 (独)食品総合研究所, 食品工学部, 室長(研究職) (20353972)
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Keywords | 凍結 / 3次元 / 近赤外分光 / 成分 / 非破壊計測 / 生体 / 誘導率 / 氷結晶 |
Research Abstract |
本研究の目的は、凍結試料用に特化した極低温マイクロスライサ画像処理システム(Cryo Micro Slicer Image Processing Sysetm : Cryo-MSIPS)を開発し、生体内部構造・成分情報、凍結プロセスにおいて材料内に形成される氷結晶の性状とその分布などを定量的に明らかにし、これらの情報に基づく「最適凍結プロセス予測モデル」を開発することにある。本年度は、モデル系試料に希薄ゼラチンゲル、生体試料に生牛肉選び、試料内に形成される氷結晶構造の3次元計測法を開発し、凍結速度と氷結晶構造パラメータの定量的相互関係を明らかにした。また、種々の冷却速度で凍結したゼラチンゲルの誘電スペクトルを計測し、現有するMSIPSで得られる定量的な氷結晶形態と比較することにより、1)凍結ゼラチンの活性化エネルギと緩和時間は凍結速度・構造に依存しない、2)氷結晶の直径、粒界線密度及び数密度は誘電率や導電率と一対一に対応する、3)高周波領域における見かけの導電率を計測する事により、誘電率の計測が可能であり、この値が氷結晶構造に敏感で有ることなどを明らかにした。これらの研究成果は生体や食品内に形成される氷結晶の構造を非破壊的に計測する手法の開発に有用と考えられる。 他方、マスクメロンの硬さを音響工学的手法を用いて計測する「Firm Tester」を開発した。さらに、近赤外分光イメージングによるマルチバンドイメージスキャナを開発してメロンの糖度分布の可視化に成功した。また、これまでに開発した3次元スペクトルイメージング手法を応用し、ダイズ種子の形態構造の可視化を行った。 これらの研究成果に基づき、来年度に試作する予定のCryo-MSIPSの機能と仕様を検討し、詳細設計と共に、3次元凍結プロセスシミュレーションモデルの開発に着手した。
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Research Products
(7 results)