2006 Fiscal Year Annual Research Report
高精度3次元生体内部構造・成分情報に基づく最適凍結プロセス予測モデルの開発
Project/Area Number |
16208026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相良 泰行 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (30012024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 俊郎 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (10111569)
白樫 了 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80292754)
杉山 純一 (独)農業, 食品産業技術総合研究所, 室長(研究職) (20353972)
都 甲洙 日本大学, 生物資源学部, 講師 (40385993)
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Keywords | 生体材料 / 精密計測 / 情報システム / 可視化 / 結晶成長 |
Research Abstract |
平成18年度は、設計・試作した極低温マイクロスライサ画像処理システム(Cryo-MSIPS)の生体および食品材料への適用性を検討するための基礎研究を実施した。具体的には、生体については凍結卵細胞を対象とした顕微授精装置および手法を開発するとともに、食品材料についてはパン生地中のパン酵母の3次元可視化手法および気泡状態の計測法を確立した。他方、近赤外カメラを用いた3次元可視化手法を用いて、ブルーベリー果実に混入する異物の検出法を確立した。 以上の結果から、極低温マイクロスライサ画像処理システム(Cryo-MSIPS)の生体および食品材料への適用性は十分あると判断されたが、それと同時に上記システムの問題点もいくつか確認されたため、これらを改善した。具体的には、同システムのスライサ部の制御不安定、顕微鏡観察部の振動、冷却部の-80℃冷却時における冷却面温度の制御不安定、同システムと観察サンプルの接触面における熱伝達のロスといった諸問題を解決するとともに、近赤外カメラによる凍結試料内の内部構造および成分情報の観察に不可欠となる吸光度-光吸収波長の検量線を水および氷の両方についてそれぞれ作成した。その結果、水と氷では吸収波長が異なるとともに、氷についても対象となる生体・食品の種類により吸収波長が異なること、および吸光度と凍結速度の二つの指標が、凍結材料の内部構造パラメータとともに生体・食品の最適凍結プロセスの決定要因であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)