2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗原提示細胞を介したTh1/Th2細胞への分化・誘導制御機構と免疫細胞療法
Project/Area Number |
16208031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 憲一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (50111480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 芳嗣 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (00173922)
松木 直章 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (40251417)
嶋田 照雅 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00264812)
鷲巣 月美 日本獣医生命科学大学, 獣医学研究科, 助教授 (20191736)
盆子原 誠 日本獣医生命科学大学, 獣医学研究科, 講師 (50343611)
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Keywords | 抗原提示細胞 / 樹状細胞 / 株化細胞 / 分化・誘導 / 疾患時のTh1 / Th2細胞 / Th1 / Th2分化・誘導 / 誘導物質 / 免疫細胞療法 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき平成18年度は以下の研究を実施した。 1)各種疾患時のTh1/Th2分化・誘導状態の検索 バベシア症における感染耐過がTh1細胞への分化・誘導と密接に関係することを明らかにした。また悪性黒色腫や肥満細胞腫ではTh2細胞に分化・誘導されていることが明らかとなった。また悪性組織球腫から株化細胞を樹立し、この細胞が抗原提示能を有する樹状細胞であることを明らかにした。さらに、この株化樹状細胞を用いてTh1/Th2細胞への分化・誘導を評価する実験系を確立した。また、樹状細胞に特異的な膜抗原蛋白質であるdectin-2遺伝子のプロモーター領域の下流に蛋白遺伝子を組み込ませ人為的に、特異的に発現させることが可能であることを明らかにした。 2)各種疾患時におけるTh1/Th2分化・誘導物質の解析 マウスのバベシア原虫のうち、感染耐過を示す原虫の膜抗原蛋白質で、マクロファージからのIL12産生を誘導し、Th1細胞への分化・誘導を示す蛋白質を得ている。また、軟部組織腫瘍、造血器腫瘍については数種の候補膜抗原を得ており、現在、その性状ならびに遺伝子配列を解析中である。 3)骨髄樹状細胞を用いた免疫細胞療法 骨髄から分化・誘導・精製した樹状細胞を悪性黒色腫の膜蛋白質で刺激した後、犬に移入し、腫瘍細胞の膜蛋白質に対する遅延型過敏反応の発現を見ている。現在、一部の症例について応用し、その経過を観察中である。また、前年に引き続き、オボアルブミンをコードする遺伝子をDectin-2遺伝子上流のプロモーター領域の下流に組み込み、樹状細胞株化細胞に対する、効率の良い発現ベクターの作成法を検討中である。
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Research Products
(6 results)