Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 芳嗣 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (00173922)
松木 直章 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (40251417)
嶋田 照雅 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00264812)
鷲巣 月美 日本獣医生命科学大学, 獣医学研究科, 准教授 (20191736)
盆子原 誠 日本獣医生命科学大学, 獣医学研究科, 講師 (50343611)
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Research Abstract |
1)各種疾患時のTh1/Th2細胞への分化・誘導状態の検索:通常IL-12産生し,Th1細胞に分化して慢性経過を示すBabesia microtiをIL-12KOマウスに感染させたところ,Th1細胞への分化/誘導は起こらず,感染赤血球率のピークが早期に発現したが感染耐過を示し,IL-12産生にともなったTh1細胞への分化/誘導は感染初期の病態に重要ではあるものの,原虫の消失には関与しないと考えられた。また,犬の悪性黒色腫や肥満細胞腫ではTh2細胞に分化・誘導されているが,悪性組織球腫から樹立した株化細胞を悪性黒色腫細胞の細胞膜成分で刺激した後接種すると,遅延型過敏反応を誘導が可能である。 2)各種疾患時におけるTh1/Th2分化,誘導物質の解析:マウスのバベシア原虫のうち,感染耐過を示す原虫の膜抗原蛋白質で,マクロファージからのIL12産生を誘導し,Th1細胞への分化,誘導を示す蛋白質を得た。また,軟部組織腫瘍,造血器腫瘍については数種の候補膜抗原を得ており,その性状ならびに遺伝子配列を解析したが,IL-12産生を促進する明らかな膜抗原物質を得ることはできなかった。 3)骨髄樹状細胞を用いた免疫細胞療法:悪性黒色種8例について,骨髄から分化・誘導・精製した樹状細胞を悪性黒色腫の膜蛋白質で刺激した後,犬に移入し,腫瘍細胞の膜蛋白質に対する遅延型過敏反応ならびに生存日数を検討したところ,遅延型過敏反応が認められる症例で,生存期間の長いことが窺われ,樹状細胞を用いた細胞免疫療法が可能であると考えられた。また,樹状細胞のDectin-2遺伝子上流のプロモーター領域の下流に候補遺伝子を組み込み,株化樹状細胞に特異抗原を発現させることができた。
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