2005 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復におけるクロマチン構造変換とその制御機構
Project/Area Number |
16209003
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
花岡 文雄 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (50012670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益谷 央豪 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助教授 (40241252)
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Keywords | DNA修復 / クロマチン構造 / ヌクレオチド除去修復 / XPCタンパク質 / DDB因子 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
研究代表者および研究分担者は、DNA修復において、クロマチン構造の変換が修復因子による損傷の認識過程にどのような役割を果たしているのか、またヒストンの修飾などのクロマチン構造の変化が修復の効率にどう影響するのかを明らかにすることを目的として研究を行い、以下にまとめるような知見を得た。 これまでの研究により、XPCタンパク質複合体はヒトのヌクレオチド除去修復において損傷認識に関わること、大過剰の裸の非損傷DNAの添加がそれを阻害すること、非損傷DNA領域がヌクレオソーム構造をとると、XPC複合体の非特異的DNA結合が抑制される結果、XPC複合体の損傷認識の特異性が高まることを明らかにした。一方、損傷それ自体がヌクレオソーム構造をとる場合には、XPC複合体の損傷への結合が強く阻害されたことから、何か別の因子がヌクレオソーム中に存在する損傷を認識することが示唆された。その有力な候補として、DDB因子(DDG1-DDB2ヘテロ二量体)が考えられた。そこで再構成クロマチンを用いた無細胞修復系においてXPC複合体とDDB因子とを共存させたところ、DDB因子の補助によって、XPC複合体がクロマチン構造内の損傷を認識出来るようになるという結果が得られた。 一方、細胞に紫外線を照射すると、DDB因子の持つユビキチンリガーゼ活性によってXPCタンパク質とDDB2およびcullin 4Aとがユビキチン化されることを見いだしているが、その機能的意義は明らかでなかった。今回、ユビキチン化されたXPCタンパク質は、紫外線損傷DNAに対して結合性が高くなる一方、ユビキチン化されたDDB2は反対にその結合が弱くなること、またDNAから遊離して分解されることを見いだした。したがってユビキチン化が損傷DNAへのDDB因子とXPC複合体の結合のスイッチングに効いていることが分った。
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Research Products
(7 results)