2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
野田 昌晴 基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)
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Keywords | 体液恒常性 / 体液塩濃度 / 塩分・水分摂取 / Naチャンネル / ナトリウムセンサー / グリア細胞 |
Research Abstract |
本研究では主に遺伝子ノックアウトマウスの解析を通して、プロテインチロシンポスファターゼζ(PTPζ)とNa_x、イオンチャンネルの関わる生命現象とその分子・細胞機構を明らかにすることを目指す。本年度の研究成果は以下の通りである。 a)PTPζのシグナル伝達系 1.基質分子の同定 Yeast substrate-trapping systemを開発、利用してGit1,p190 RhoGAP,PIST,MAGI-1の4つの分子を基質候補分子として同定した。更にGit1とp190 RhoGAPについては脱リン酸化部位であるTyr残基を同定した。 2.ドーパミン(DA)神経系 ノックアウトマウスのDA神経系に異常があることを、新奇環境下の行動異常、メタンアンフェタミンに対する応答性の異常、マイクロダイアリシス解析等から同定した。 3.記憶・学習 13週齢以上のノックアウトマウスにおいて、海馬CA1領域のLTPに亢進が見られること、Morris water mazeによる空間学習に障害が見られることを見出した。 b)Na_xチャンネル 1.Na_x発現細胞 脳室周囲器官においてNa_xを発現する細胞がastrocyteとependymal cellであることを明らかにした。 2.ノックアウトマウスの塩分摂取行動異常の回復 アデノウイルスベクターを用いて、ノックアウトマウスの脳にNa_x遺伝子を導入・発現させる実験によって、脳弓下器官に導入した時にのみ、塩分の摂取行動が正常に復することを見出した。 3.Na_x相互作用分子の探索 Na_xと相互作用する分子をYeast two-hybrid systemを用いてスクリーンし、複数の結合分子候補を同定した。
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