2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 昇志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50158937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 俊彦 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (20301400)
池田 英之 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40301494)
一宮 慎吾 札幌医科大学, 医学部, 講師 (30305221)
佐原 弘益 札幌医科大学, 臨海医学研究所, 講師 (10260762)
田村 保明 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80322329)
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Keywords | エスケープ / エピジェネティクス / MHC I / II / CIITA / mAb / 免疫治療 / 病理標本 |
Research Abstract |
今年度は以下の点につき研究を進め成果が得られた。 1)抗原処理/提示に関わる分子群発現のエピジェネティク的な制御機構と免疫エスケープ解析:抗原処理/提示に関わる分子群の発現はT細胞の免疫応答性を直接的に決定するものであり、これらの発現低下は免疫エスケープの重要なファクターである。しかし、これら分子群のエピジェネティク発現制御に関してはまだ殆ど解析がなされておらず、早急な研究の進展が待たれている。一方、我々は数年前から特にMHC class I/class IIについて解析を進めてきた。その結果、MHC class II発現がエピジェネティクに様々に制御されることが判明した。すなわち、ヒト扁平上皮癌細胞株およびヒトグリオブラストーマ株を用いた研究でMHC class II分子発現のマスターレギュレーターであるClass II transactivator (CIITA)がピストンの脱アセチル化機序により制御され、class IIの発現に影響していることが明らかにされた。MHC class IIの発現は癌免疫の応答性に大きく影響する。従って様々な腫瘍細胞における遺伝子のメチル化、脱アセチル化等の染色体リモデリングのより広汎な解析は大変重要である。 2)HLA-A,B,Cアリルを認識する単クローン抗体の確立と腫瘍組織におけるHLAクラスI分子発現解析:今日まで病理組織切片上で発現解析が可能な単クローン抗体(mAb)はまだ存在していない。しかし、そのようなmAbの開発は癌免疫治療を遂行し、有効な癌ワクチンを開発する上で必須である。今年度はEMR-8というそのような解析に適したmAbを開発することに成功した。その結果、驚くべきことに乳癌で実に80%、大腸の30%、腎癌の50%に、HLA-クラスI発現が全くみられなかった。このことは癌ワクチン治療の戦略、適切症例を選択する上で大変重要な情報をもたらすといえる。
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Research Products
(8 results)