2006 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン動態の解析による宿主-レトロウイルス間相互作用の解明
Project/Area Number |
16209016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60111449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 太二 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60343109)
箕口 滋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60322757)
水谷 壮利 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00376617)
磯部 俊明 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (70106607)
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Keywords | エピジェネティクス / SWI / SNF複合体 / HIV / MLV / スプライシング / ジーンサイレンシング / 再活性化 / 潜伏感染 |
Research Abstract |
ポストゲノム時代を迎えた現代、エピジェネティクスの分子基盤を明らかにしてクロマチンの動態に基づいて感染機構を解明する必要がある。本研究では、レトロウイルスやレンチウイルスの初期感染、潜伏感染、再活性化に伴うウイルス遺伝子の発現の開始、維持、抑制と抑制解除の分子機構を、クロマチン動態、特にヒトにおける代表的なクロマチン構造変換因子SWI/SNF複合体を中心に置いて明らかにすることを目的とし、以下の結果を得た。 1.完全長のHIVのLTRを有しlacZをレポーターとして発現するレンチウイルスベクターを構築した。これまでMLVのLTRをもつベクターで示したのと同様に、tat非存在下のHIVベクターの安定な発現には、Brmが細胞内に存在することが必須であり、Brmの発現を欠くとstochasticに急速なgene silencingをおこすことが示された。 2.これまでのプロテオーム解析により得られたSWI/SNF複合体に弱い親和性で結合するタンパク因子群の中から、p54^<nrb>に注目して研究を進めた。p54^<nrb>は、転写、スプライシング、さらにはRNA editingに関与することが知られるばかりかHIV RNAの特定配列と結合する活性をもつことも報告されている。これまでの解析の結果、Brmとp54は転写開始時にプロモーターに共局在し、その後も、コーディングDNAまたは転写産物の近傍にPSFタンパク質と共に存在し、スプライシングの過程に積極的に関与することが示唆された。実際Brm発現欠失細胞では選択的スプライシングを受ける遺伝子群の一部において、一部のexonを読みとばす傾向をもつことが示された。p54を含むSWI/SNF様複合体は転写開始から伸長に至るまで連続的に共局在して協調してスプライシングに関与するものと考えられるので、現在HIVの初期転写におけるp54の機能解析をしている。
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Research Products
(3 results)