Research Abstract |
呼気ガス質量分析診断法の確立を目的とし,平成17年度は研究計画に基づき以下の検討を行った. (1)移動用携帯型超高純度人工空気吸入採取システムの開発 上述の要素技術を開発後,ベッドサイドでも超高感度質量分析に対応した呼気ガス採取が可能とするため,移動用携帯型超高純度人工空気吸入採取システムの開発を行った.これと採取バッグシステムを組み合わせ,実際の超高感度分析の使用に耐えるように各パーツを検討し,試作機を製作した.平成18年度以降の臨床試験に実施可能なレベルにまで到達した. (2)種々の生活習慣病への臨床応用: 健康成人ならびに循環器疾患(動脈硬化性疾患,高血圧症,虚血性心疾患等),呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患,肺癌等),内分泌代謝疾患(糖尿病,高脂血症等)や消化器疾患(胃潰瘍,胃癌,肝硬変等)などの生活習慣病患者を対象に健康調査票(性,年齢,服用薬剤,食事,居住環境,喫煙,生活習慣等),General Health Questionnaire等の質問紙調査や種々の臨床検査情報を得た上で,安静座位における呼気ガス質量分析を行った,これにより,平成17年度末までの被験者959名における呼気ガス質量スペクトラム,水素,メタン,一酸化炭素,一酸化窒素,酸素,二酸化炭素などの呼気成分分析結果とアンケート,血液検査などの約1000項目のマトリックスデータベースを完成させた.これらのデータベースを基にし,各m/z比におけるイオン強度と種々の因子との間の相関関係を現在,解析中である.また,別プロジェクトで開発中の超高感度分析用皮膚ガス採取システムを用いて,不感蒸泄によるガス分析も同時に実施し,呼気ガス成分との対比も行った.
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