2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16209025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
堀江 稔 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90183938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 博 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60238962)
小森 優 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80186824)
赤尾 昌治 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00362509)
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Keywords | QT延長症候群 / 遺伝子解析 / Brugada症候群 / 薬剤性QT延長 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
遺伝性不整脈は、心筋の活動電位形成に寄与するイオン・チャネルあるいはその調節蛋白遺伝子の多種多様の変異により招来されるチャネル病である。QT延長症候群(以下LQTS)、Brugada症候群、洞不全症候群、Andersen症候群、カテコラミン誘発性多形性心室頻拍、心房細動、催不整脈源性右室心筋症、AT短縮症候群など多くの不整脈疾患において、近年、その遺伝的背景が解明されつつある。なかでも、著しいQT時間の延長と特異な多形性心室頻拍を起こす家族LQTSは、比較的若年者に見られ、心臓突然死を起こすことから注目を集めてきた。また、Brugada症候群は、体表面心電図で特異的な胸部右側誘導のST上昇と右脚ブロックを伴い、夜間に多く発症する心室細動で突然死をきたす。近年、その一部ではナトリウム・チャネル遺伝子の異常が同定されている。一方、薬剤などに伴う2次性LQTSにおいても、実際、LQTS遺伝子の変異や多型(SNP=Single Nucleotide Polymophism)が発見され、私たちの研究室を含む多くの施設から報告されている。このようなSNPは、新規薬剤の開発における安全性試験においても、注目されている。私たちは、1995年から2次性を含めたLQTSやその他多くの遺伝性不整脈症例の遺伝子検索、さらに発見できた変異チャネルの電気生理学的な機能解析を行ってきた。また、主に心筋のイオン・チャネルに関する幅広い研究を行ってきた。このような研究を通して、致死的な不整脈を予知・予防し、個々の疾患に特異的な治療(オーダーメイド医療)を可能としてきた。すなわち、各遺伝性不整脈に共通のイオン・チャネル異常を臨床的に同定し機能解析を行うことにより新たな治療戦略を打ち立てている。その内容は、11.研究発表欄に示すように、多数の読者を持つ英文雑誌に、掲載することができた。
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