2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞分裂と細胞分化の調節における転写因子STATと低分子量G蛋白質のクロストーク
Project/Area Number |
16209032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野阪 哲哉 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員客員助教授 (30218309)
中島 秀明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30217723)
川島 敏行 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10306839)
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Keywords | STAT / 低分子量G蛋白質 / 転写 / GAP蛋白質 / 細胞分裂 / 細胞分化 |
Research Abstract |
MgcRacGAPはM期においては細胞質分裂の終了に必須である(Minoshima et al. Dev Cell,2003)。一方、間期においてはMgcRacGAPが、主に核内に存在しその強制発現がマクロファージ系細胞への分化を誘導する。我々はSTAT3とMgcRacGAPが結合していることを、免疫沈降、GST-プルダウン、酵母ツーバイブリッドの3つのアッセイ系で確認した(Tonozuka et al.,2004)。他のSTATとの結合も調べたところ、STAT3、STAT4、STAT5Aおよび5BがMgcRacGAPに結合するが、STAT1およびSTAT6は結合しないことが判明した。STAT3およびSTAT5の転写はMgcRacGAPの過剰発現により増強すること、この転写活性化の増強にはMgcRacGAPのGAP活性が必要なこと、MgcRacGAPがRac1/Rac2と結合することを昨年までに確認した。 本年はMgcRacGAPによるSTAT3/5の転写活性化増強の分子メカニズムの解析を中心に研究を進めた。まず優性抑制型のRacN17を細胞に導入すると活性化されたSTAT5の核移行が著しく阻害されることを見いだした。またRac1/Rac2のノックアウトマウスの胎児線維芽細胞(MEF)を利用した実験でもSTAT5の核移行にRac1が必須であることが明らかとなった。Rac1と異なり、核内以降シグナルを有さないRac2はSTATの核移行には必要ではなかった。さらに、Rac1/MgcRacGAPの系がSTAT分子の活性化、核内移行のどのステップに作用するのかを解析するために、STAT分子の核内移行アッセイを樹立した。
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Research Products
(5 results)