2004 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける中国系住民の土着化・クレオール化についての人類学的研究
Project/Area Number |
16251007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
三尾 裕子 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (20195192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末成 道男 東洋大学, 社会学部, 教授 (20054570)
芹澤 知広 奈良大学, 社会学部, 助教授 (60299162)
中西 裕二 福岡大学, 人文学部, 教授 (50237327)
宮原 暁 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (70294171)
菅谷 成子 愛媛大学, 法文学部, 教授 (90202126)
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Keywords | 海外中国人 / 土着 / クレオール化 / 華人化 / 華僑化 / ベトナム / フィリピン / マレーシア |
Research Abstract |
7月10日にほぼ全員が集合して、国内において研究会を開催し、海外中国人の文化・社会の変容と民族意識について、「華僑化・華人化」を前提としない視点の有効性を議論し、今後の研究方針、各自の研究スケジュールを確認しあった。 その後、それぞれ以下の内容の現地調査を実施した。末成は、海外共同研究者のゴ教授とともに、ベトナムのフエで土着化した中国系住民の社会と文化の変容過程について、調査を行った。芹澤は、南部のホーチミン市チョロン地区において、中国系住民へのキリスト教の浸透と現地の土着社会との関係性について調査を行った。菅谷は、2回の調査で、18-19世紀のフィリピンにおける中国人社会の変容に関連する史料をマニラ大司教区文書館等で資料を収集した。宮原は,研究協力者であるDr.Ellen PalancaおよびIto Jimenezの協力を得て,フィリピンにおける中国系住民の現地化のエクステンシブな状況の調査、及び墓碑調査を行うために,フィリピンの諸都市を訪問した。赤嶺は、ダバオを中心に香港やシンガポールで、海産物交易に従事する中国系住民について、交易による移動が彼等の社会文化の変容に及ぼしている影響を調査した。この他、二名の研究協力者が比較の視点から、マレーシア、台湾で土着化が進んだ華人(あるいは華人化した先住民)の調査を行った。尚、三尾と中西は、今年度は国内で文献資料収集とその分析に専念した。 12月には、再度国内研究会を開催し、既に調査を行ったメンバーが簡単な調査報告を行うとともに、出発点となった研究の視点について、再度確認した。 なお、メンバーの一人である宮原は、国際華僑学会の第5回大会に参加して、研究発表を行うとともに、海外の共同研究者と研究打ち合わせを行った。また、その他の華人研究に従事する学者とも交流して、本研究の独自性、先端性についての国際的な発信につとめた。
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Research Products
(12 results)