2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペルー北高地先史時代の金山開発と文化変化:埋葬施設の発掘と金山遺構の踏査を通して見る文化と環境の関係性に関する研究
Project/Area Number |
16251011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 亮三 東海大学, 文学部, 教授 (20114655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 玲子 東海大学, 文学部, 助教授 (50287041)
内田 晴久 東海大学, 教養学部, 教授 (50232856)
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Keywords | 中央アンデス / カイェンホ・デ・ワイラス / ヤンガヌーコ遺跡 / パタパタ遺跡 / ワラス赤地白彩土器 / レクワイ文化 / 形成期中期・後期 / ペルー |
Research Abstract |
1.2004年8月1日〜9月19日、ペルー、アンカシュ県ヤンガヌーコ遺跡およびパタパタ遺跡における発掘調査を実施した。(1)ヤンガヌーコ遺跡:B区ではワラス赤地白彩土器ともに一部がミイラ化した乳幼児の遺体を発見したほか、前期中間期のレクワイ文化に属する土器などが出土した。また、ペルー北高地カハマルカ地方の形成期中期に特有の特徴をもった土器片も出土し、本遺跡複合がBC1000年ごろから利用されていた可能性が示唆された。H区第4号墓では、各々一体ずつ埋葬したふたつの墓室と共に周囲から前200年ごろと思われる土器片が確認された。H区第5号墓と広場、隣接するI区第1号墓と第1号建造物も前200年ごろのものと推定される。(2)パタパタ遺跡(標高3460m):独立丘陵上に作られた墳墓群である。地形測量を行って、ふたつの区域(南区、北区)で発掘調査を行った。南区には、石造墳墓が点在しており、遺体とともに銅製の針や装身具、完形土器などが出土した。北区には地下式墳墓が点在しており、7基の墳墓について調査を行った。両区域には、レクワイ文化の土器、骨や貝製の装身具などが大量に副葬品として奉納されていたほか、北海岸のランバイェケ地方に見られる特徴をもった土器片が採集された。以上のことから、(1)ヤンガーヌーコ遺跡複合はBC1000年頃から利用されていた可能性が示唆された。(2)ヤンガヌーコ遺跡A区(2002年度調査)同様、パタパタ遺跡からも北海岸ランバイェケ地方の特徴をもった土器片が出土し、当該地域と北海岸地域との文化・社会交流があったことがより明確にされた。 2.2005年3月15日〜22日、ペルー、リマおよびワラス、ユンガイにおいて、文化庁および研究協力者と次期調査のための折衝と打ち合わせを行った。当初予定していたベンチでの遺物整理は、まだ十分ではなく、次年度に行う予定である。
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Research Products
(1 results)