2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・太平洋地域における自然災害への社会対応に関する民族誌的研究
Project/Area Number |
16251012
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
林 勲男 国立民族学博物館, 民俗社会研究部, 助教授 (80270495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三尾 稔 国立民族学博物館, 民俗社会研究部, 助教授 (50242029)
玉置 泰明 静岡県立大学, 大学院・国際関係学研究科, 助教授 (90192640)
高田 峰夫 広島修道大学, 人文学部, 教授 (80258277)
田中 聡 富士常葉大学, 環境防災学部, 助教授 (90273523)
柄谷 友香 名城大学, 都市情報学部, 助教授 (80335223)
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Keywords | 民族誌 / 自然災害 / 多国籍 / 文化人類学 / 復興 / 防災 |
Research Abstract |
災害後の復旧・復興プロセスと将来の災害リスクの軽減化を図るプロセスの二つに整理して示す。 1.被災地復興班では、林がパプアニューギニアにて1998年津波の被災住民の生活再建と地域開発にっいて調査した。2004年12月発生のインド洋地震津波被災地の現状に関し、山本がインドネシアのバンダ・アチェ市における復興住宅の供給を中心に、柄谷がタイのプーケット島で観光業に焦点を当て、研究協力者の深尾がインドのタミール・ナドゥ州で文化遺産をめぐる復興活動を中心に、同じく研究協力者の澁谷がスリランカ東部州にて復興の地域間格差に焦点を当てた調査を実施した。佐藤は2005年3月発生の地震被災地であるインドネシア・ニアス島で復興住宅の現状について調査した。研究協力者の金谷はインド・グジャラート州カッチ県にて、グジャラート地震災害被災者の生活再建とNGO活動に関して調査を実施した。牧は、本年度は別経費にて、インドネシア・アチェ州で調査を実施した。三尾は、本務の都合で本年度は調査を行なわなかった。 被災コミュニティのリロケーション(集団移転)は、コミュニティ空間の均質化や、供給住宅の画一化などの住民生活への影響が大きく、長期的に調査していくことの重要性が確認された。 2.(1)災害リスク調査班では、玉置が2004年に終了したEqTAPのマリキナ・プロジェクトの報告書に記載された「防災対策」提言の実施状況について調査を実施した。高田は現地調査を実施せず、バングラデシュの洪水災害とNGO職員の対応に関する収集資料の分析を国内でおこなった。 (2)防災システム調査班では、田中が玉置と協力して、現地のNGOの活動とマリキナ市の防災教育センター建設の進捗状況について調査した。 災害リスク軽減化のためには、政府機関、NGO等の市民組織、研究者などの活動をコーディネートすることの意義と難しさが確認された。
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Research Products
(9 results)