2007 Fiscal Year Annual Research Report
渓流沿い水生被子植物カワゴケソウ科の眺躍的進化機構の解明
Project/Area Number |
16255005
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
今市 涼子 Japan Women's University, 理学部, 教授 (60112752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅啓 国立科学博物館, 植物研究部, 部長(研究職) (20093221)
長谷部 光泰 自然科学研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40237996)
藤井 紀行 熊本大学, 理学部, 准教授 (40305412)
西田 佐知子 名古屋大学, 博物館, 助手 (10311490)
渡辺 泰徳 立正大学, 理学部, 教授 (20112477)
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Keywords | カワゴケソウ科 / 渓流沿い植物 / 水生植物 / 形態形成 / 分子系統 / 解剖学 / ボディプラン / 進化 |
Research Abstract |
本年度は3回の学術調査を行った。2007年11月・12月に各1回タイ(ウボンラチャタニ・チャンタブリ・カオヤイ)にて・また2008年3月に南米ガイアナ(シャンクラン・イオクラマ)における調査を行った。タイでは・カワゴケソウ科の3つの亜科のうち・一般的な被子植物の体制に最も近いトリスティカ亜科についての試料を中心に収集した。昨年度にすでに単離した「茎頂に発現するSTM相同遺伝子」に加えて・「葉で発現するYABBI相同遺伝子・茎頂の幹細胞制御を行っているWUS相同遺伝子・CLV3相同遺伝子」の単離をタイ産のもので行い・in situ法の条件検討の結果・STM遺伝子以外の遺伝子についても・in situ本実験にとりかかれる状況になり・現在研究を続行中である。以上が本年度におけるカワゴケソウ科の特異形態の分子遺伝学的研究内容である。一方・比較形態形成研究では・唯一未収集であった南米特有のカワゴケソウ亜科の大型属(Rhyncholachis,Mourera,Apinagiaなど)の試料収集のための調査をガイアナで行った。これにより・最終年度において汎熱帯に広く分布するカワゴケソウ科の大半をカバーする試料収集が完成した。すでに収集済みのDicraeanthusなどアフリカ産の大型種については研究が終了しており(論文準備中)・これらの結果と南米産の大型種との比較研究を進行中である。またカワゴケソウ科の生理生態的研究については・栽培がうまくいかず・あまり進めることができなかった。しかしタイでの現地調査において光合成能が水面よりも水深20cmの所で最も高いというデータが得られ・カワゴケソウも強光阻害が存在する可能性が示唆された。以上から・カワゴケソウ科の形態進化についての全貌解明にあとわずかという所まで研究を進めることができた。
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Research Products
(2 results)