2004 Fiscal Year Annual Research Report
スケーラブル統合プログラミング言語モデルLMNtalの実用化
Project/Area Number |
16300009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
上田 和紀 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10257206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 紀夫 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (40350467)
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Keywords | LMNtal / プログラム言語 / コンパイラ / 並行計算 / 分散計算 / 多重集合書換え / グラフ書換え |
Research Abstract |
本年度は、並行言語モデルLMNtal実用化の基盤を固めるために下記の研究を遂行した。 1.プラットフォーム処理系の整備拡充 研究開発のプラットフォームとなるLMNtal逐次処理系をJavaで実装、公開し、バージョンアップを重ねてきた。分散処理系への拡張を念頭に置いて、膜ごとの計算を非同期に実行するための排他制御や協調動作の方式設計および実装を行った。また可視化機能や他言語インタフェース機能の拡充、プロセス文脈機能の強化、生成コードの改善などの各種改良も行った。 2.言語設計の洗練 LMNtalが分散計算を的確にモデル化する言語モデルとなるように、操作的意味論の一部を見直した。コネクタ(二つのグラフ構造を接続するための言語要素)に関して、どのような操作を構造合同(可逆)と見なし、どのような操作を遷移関係(非可逆)と見なすべきかを考察し、従来の言語仕様の問題点を発見し修正した。 3.LMNtalプログラムに対する型体系の設計 LMNtalプログラムが形成するプロセス構造を扱うための型体系を設計し、型安全性の証明を行った。この型体系は、膜に出現する可能性のあるアトム(グラフのノード)の種類やリンクのつながり方を定式化するものである。本研究を通じて、実用的な解析のためには、膜に名前を付けて膜の静的な役割を識別することが有効であるとの知見を得た。 4.分散処理系および小規模制御系向け処理系 膜に実行位置情報を付加する機能を導入し、通信・キャッシュ・ロック・終了処理等の機構を逐次処理系に付加することにより、LMNtal分散処理系の試作を行った。また、組込み応用に向けて、センサやアクチュエータをLMNtalのアトムとの対応づける方式を考案し、ロボットコントローラ実機上で動作するLMNtalサブセットの実行系を構築して自律移動ロボットの制御を実現した。
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Research Products
(6 results)