2006 Fiscal Year Annual Research Report
広視野映像による酔いと3D映像による眼精疲労の機序の解明
Project/Area Number |
16300034
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鵜飼 一彦 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20129232)
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Keywords | 眼精疲労 / 立体視 / 調節 / 輻輳 |
Research Abstract |
本年度は,「広視野映像による酔い」と「3D映像による眼精疲労」の両分野において,一定の研究成果が得られた.広視野映像による酔いにおいては,expanding optic flowを視対象として,固視点をflowの中心(湧き出し点)とそれ以外に設定したときの酔いの主観評価を測定し,固視点における対象運動の状態が酔いに与える影響を調べた.また,このときの眼球運動を同時に測定した.この結果,眼球運動が酔いの強い被験者で影響を受けることが明らかになった.また,視差を含む映像(ステレオ刺激)を注視しているときの被験眼の調節・輻輳の動的反応を調べることが可能となった.この結果,眼精疲労の原因と考えられているがその振る舞いの実際については不明な点が多かった調節が,いかに輻輳に影響されるかが明らかになった.その程度は視対象の空間構造に大きく依存することも判明した.また,飛び出す映像が一つに見えない(融像不能)対象者でも,映像を適度にぼかしてやる(高空間周波数成分をカットする)と融像することが可能になる例があることも明らかになった.その様子は動的記録として捕えられている. 以上の2点は,論文として受理され,これから出版される(in pressとしてある2点が該当).また,特定のディスプレイ装置に生じて,視覚的に煩わしさを感じるカラーブレイクアップ現象についてその機序を明らかにすることができた(J SID論文).その他,昨年までの成果がいくつか出版された.
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Research Products
(6 results)