2004 Fiscal Year Annual Research Report
音楽系ゲーム実施時の脳活動計測に基づく「没入感」の分類と要因分析
Project/Area Number |
16300073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
片寄 晴弘 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70294303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 昭宏 関西学院大学, 文学部, 教授 (50166477)
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Keywords | 芸術 / 没入感 / 脳活動計測 / 身体性 |
Research Abstract |
研究申請者は,演奏表情データ(表情の無い機械的な演奏を基準として,テンポ推移,各音の音量,拍のズレを記載したもの)をテンプレートとして利用して,指揮動作や拍打によって演奏を行うシステムiFPの開発を進めてきた.iFPでは,演奏技術に相当する部分をシステムが担うため,演奏者はフレーズの表現そのものに集中できる.演奏者は名ピアニストの手を借りた演奏感覚,あるいは,名奏家を指揮しているような感覚を味わうことができる.本年度は,iFPを用いて,1)表情データの利用の効果,2)身体性の影響,3)鑑賞にかかわるモードの効果を,内観調査と脳活動計測の双方により評価した. 内観評価からは,初期的な段階においては,「iFPの操作自体は難しいが上手に演奏しているように感じられる」慣れるにしたがって「気持ち良く,没頭できる」と感じるものが多くなることが確認された.iFPの指揮動作による演奏に習熟した被験者,打鍵操作にのみ習熟した被験者に対して,NIRSを用いて前頭前野の脳活動を計測した結果,表情テンプレートを利用した場合>利用しない場合,自身の好きなインタフェースを用いて演奏した場合>鑑賞した場合>BGMのように聞き流した場合,の順序で前頭前野正中部の活動が低下することが確認された.この状.況は「没入」に関する内観報告と符合している.前頭前野正中部における脳活動の低下の活動の意味解釈に関しては今後のさらなるデータの蓄積を待たなければならないが,音楽における没入と脳活動に関する基礎的な臨床データの獲得に成功した. また,次年度の市販ゲームとの比較実験実施に向け,PlaySlalionとMIDIとのクロスインタフェースを実装した.
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Research Products
(2 results)