2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境情報が情動に与える影響についての遺伝子動態評価
Project/Area Number |
16300074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
河合 徳枝 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 主任研究員 (50261128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 力 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 理事・主席研究員 (90015652)
村上 和雄 財団法人国際科学振興財団, バイオ研究所, 理事・所長 (70110517)
上野 修 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 研究員 (90261130)
八木 玲子 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 研究員 (80281591)
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Keywords | 広帯域音響 / 高精細映像 / 脳波 / 生理活性物質 / 遺伝子発現動態 |
Research Abstract |
今日、私たちの生活空間における環境情報はほとんどが人工的情報である。情報の生体への影響は、物質と等価であるという情報環境学の立場から、メディアによる視聴覚情報の生体への影響をより客観的な生理指標で検討・評価するために、情動にかかわる遺伝子発現動態を計測する実験を試みた。 これまですでに本研究者らが、計測・評価方法を開発してきた生理指標としての脳波や血漿中の生理活性物質に加えて、それらとの関係を評価しながら血中のmRNA発現の変化を計測することとした。そのために今年度は、呈示する視聴覚メディア情報を検討した。当初の計画では、今年度が音響情報、来年度が映像情報による検討であったが、現実の環境は音と映像が常に共存しており、聴覚情報と視覚情報は切り離せないことから両者を総合的に検討することとした。まず、現在の技術で実験に利用でき、高精細、高密度の環境化が可能な呈示情報として、100kHzを超える広帯域のサラウンド音響およびハイビジョン映像の4倍密度の300インチ映像を選択し、本実験のために独自の呈示情報試料を収録、編集した。これをもとにして、映像の精細度や音響の周波数帯域をさまざまな条件に変えて被験者に呈示し、その反応を脳波、血漿中生理活性物質、血中mRNA発現を指標として計測した。 その結果、呈示情報が高精細映像と広帯域音響であるほど、ストレス指標がより低下する傾向が示された。詳細な分析ならびに遺伝子発現については現在解析中である。
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