2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300079
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
小沢 一雅 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (40076823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪原 正守 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (40184791)
加藤 常員 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (50202015)
福永 伸哉 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50189958)
北條 芳隆 東海大学, 文学部, 助教授 (10243693)
岸本 直文 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80234219)
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Keywords | 前方後円墳ネットワーク / 型式分類 / 情報処理 / 統計処理 / コンピュータ |
Research Abstract |
平成17年度は、従前の畿内中心の前方後円墳研究から脱皮し、全国的な前方後円墳ネットワーク導出のための基礎的研究を実施した。方法論として、第一義的には墳形の親縁性の追究があるが、この点に関する技術的側面についていえば前年度に引き続いて墳丘計測システムの機能改善と機能拡張につとめた。この結果、計測精度上の問題はほぼ解決でき、墳形の平面企画(墳丘長・後円部径・くびれ部幅・前方部幅)の計測は実用上まったく問題のない精度で計測(推定計測)ができるようになった。一方、こうしたシステムによる計測値を用いて墳形間の親縁性を視覚的に考察するためのツールとなる型式座標図を新規に考案し、これをシステム的に操作できる環境を整備した。今後はこの型式座標図上で全国の前方後円墳相互の親縁関係を考察していく。その準備段階として、前期古墳における特異型の分析を全国規模で実施した。この結果、宮崎県西都原古墳群中の多くを占める「胴長」タイプの前方後円墳が著しい特異性を示すことが明らかとなった。この結果をうけて、西都原古墳群や生目古墳群をはじめとする九州南部の前方後円墳の実地踏査による調査研究を行った。 墳形の平面企画に関する親縁性の分析に加えて、墳丘の立体企画(墳丘の高さや段築の比率など)の分析も前年度に引き続いて実施した。立体企画に関する研究は主として統計的手法に依拠しているが、たとえば後円部径の計測値が得られればただちに後円部高を予測できる信頼度の高い単回帰式を導いている。段築に関する分析では、多くの前方後円墳の後円部において段比率が1:1:3(下段:中段:上段)となっていることが判明した。こうした知見から、極端な場合、墳丘が削平されほぼ消滅した古墳にあってもその全体像を3次元的に復元できる見通しが得られている。
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Research Products
(4 results)