2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工味細胞ネットワーク・ハードウエアの開発と味情報処理機構解明への応用
Project/Area Number |
16300094
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉井 清哲 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (30125364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神酒 勤 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (20231607)
立野 勝巳 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (00346868)
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Keywords | ホールセルクランプ / マウス味蕾細胞 / 電位依存性チャネル / 味蕾細胞モデル / 集積化 / 化学センサ |
Research Abstract |
本研究では、生理学的側面、集積システム的側面、神経情報処理的側面からのアプローチにより、味細胞ネットワークのハードウエア化を試み、以下の成果を得た。1.生理学的成果;味蕾細胞は、形態的・生化学的特性からI-IV型に分類されている。しかし、その分類は、細胞としての機能を失った標本を用いて行うしかなかった。電位依存性チャネルの薬理学的研究から、細胞として"生きている"標本で細胞型を推定できるようになった。また、細胞型によってATP受容体サブタイプの発現が異なることがわかった。これらの結果は、集積システムの作成、とくに神経情報処理的研究を支援する。2.集積システム的成果;味蕾細胞に分布し、味蕾型化学センサーの基本ユニットになる回路を設計し、CMOS試作プロセスを用いて試作を行った。現在、試作したデバイスの基本機能の動作を確認中である。今後は、シミュレーションモデルとの比較を行い、回路の改良とシステムとして動作確認を行っていく。3.神経情報処理的成果;味蕾細胞の味刺激に対する応答を模擬する数理モデルを考案した。考案した味蕾細胞モデルは、センサー入力により一過的に発火頻度を上げ、次第に安定した発火を示す順応特性を持つ。このような発火頻度の順応は、実際の味蕾細胞の応答特性でも観測されている。また、センサー出力の大きさに依存して発火頻度が高くなるようにした。現在、簡略化した味蕾細胞モデルを結合して、味応答を模擬する回路を構築中である。
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Research Products
(4 results)