2005 Fiscal Year Annual Research Report
線条体GABA性インターニューロンの行動生理学的役割に関する研究
Project/Area Number |
16300102
|
Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
小林 和人 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90211903)
|
Keywords | 線条体 / GABA性介在ニューロン / ソマトスタチン / パルブアルブミン / 運動制御 / 薬物誘導 / 遺伝子改変マウス / イムノトキシン細胞標的法 |
Research Abstract |
線条体は、運動制御、運動学習、報酬行動などの重要な脳機能を媒介する大脳基底核神経回路において中心的な役割を果たす脳領域である。線条体には、形態的および電気生理学的応答によって区別される複数のGABA性介在ニューロンが存在するが、それぞれの行動生理学的な作用については十分研究が進んでいない。本研究では、特に、ソマトスタチン(SST)あるいはパルブアルブミン(PVA)を含有するGABA性介在ニューロンの行動生理学的な役割と両者のニューロンが線条体神経回路を調節する機構の解明に取り組む。遺伝子発現の特異性に依存して特定ニューロンを破壊する手法であるイムノトキシン細胞標的法を利用して、それぞれのニューロンを線条体回路から除去し、この動物の運動制御機能および線条体回路の変化を解析することを目的とする。本年度は、SST含有ニューロンでIL-2Rαを発現する遺伝子改変マウスの線条体内にイムノトキシンを投与し、標的ニューロンの選択的な破壊の条件を検討した。SST含有GABA性介在ニューロンの除去による運動機能への影響を調べるために、線条体にイムノトキシンを注入し、自発運動とドーパミン誘導性の運動の変化を解析した。昨年度得られた回転運動の解析の結果とあわせて、SST含有ニューロンは運動の抑制に関与することが示唆された。また、PVAを含有する線条体GABA性介在ニューロンの役割を明らかにするために、PVA遺伝子の制御下にIL-2Rαを発現する遺伝子改変マウスの作製を行った。昨年度得られた複数の相同組換え体ES細胞を胚盤胞へ注入し、キメラマウスを作製したが、ES細胞由来の寄与率の高いマウスの作製に至らなかった。このため、さらに、相同組換え体ES細胞のスクリーニングを繰り返し、新しい細胞クローンを胚盤胞に注入し、キメラマウスの作製を推し進める計画である。
|
Research Products
(3 results)