2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16300116
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山田 真久 独立行政法人理化学研究所, 山田研究ユニット, ユニットリーダー (60321832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 健一 独立行政法人理化学研究所, リサーチリソースセンター, 専門職研究員 (80266030)
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Keywords | アセチルコリン / ムスカリン性受容体 / 神経細胞 / nitric oxide / 脳底動脈 |
Research Abstract |
アセチルコリンにより脳底動脈や中大動脈は弛緩する事が知られている。山田は、弛緩機能をになうアセチルコリンの受容体がM5ムスカリン性受容体(M5R)である事を明らかにした(2001)。この効果は血管内皮細胞に発現するM5Rの活性化がnitric oxide(NO)の放出を促進し、筋組織を弛緩させる機構である。この機構の不全は、脳血管の恒常的収縮による脳全体の脳血流量の減少や動脈硬化、さらに神経細胞の萎縮や空間学習機能(Object recognition testとY-maze testといった行動学的な認知行動試験)の異常をもたらす原因因子となる事を発見した(投稿中) このマウスは、脳血管の機能異常により引き起こされた表現型であるが、このような血管異常が人において認知異常に関与しているかは不明である。 この研究の目的は、慢性的な脳血流量の低下がどのようなメカニズムで大脳皮質や海馬で観察された神経細胞の萎縮を引き起こしたのか検討することである。 我々は、神経細胞の萎縮を引き起こした鍵を担う分子は何であるかと言う問いに答えるアプローチとして、遺伝子発現プロファイリングをM5R遺伝子マウスの大脳皮質組織と対照組織で行っている。M5R遺伝子マウスで顕著に遺伝子発現の減少が検出された分子には、代謝に関わる遺伝子が検出された。また、細胞増殖や転写に関与する分子やシャペロン関連分子や神経伝達分子のトランスポーターや受容体さらにアポトーシスに関与する分子等がスクリーニングされている。これらの分子の中から、神経萎縮を引き起こす分子の同定を行うことを目指す。
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Research Products
(5 results)