2004 Fiscal Year Annual Research Report
Necdin/MAGE蛋白質によるニューロン死の制御機構
Project/Area Number |
16300118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 和明 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (30094452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 雅人 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10177058)
西村 伊三男 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (70362621)
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Keywords | Necdin / MAGEファミリー蛋白質 / ニューロン / アポトーシス / 神経栄養因子 / ゲノムインプリンティング / プラダー・ウィリー症候群 / 脳発達 |
Research Abstract |
Necdinおよび類似MAGEファミリー蛋白質のニューロン死(アポトーシス)に及ぼす作用ついて解析し、以下のような結果を得た。 1)脳発達障害発症機構に関与することが推定される三種のMAGE蛋白質(Necdin、MAGE-L2、MAGE-G1)のアポトーシス誘導因子E2F1への作用を検討したところ、NecdinとMAGE-G1はE2F1の転写活性化領域に結合し、E2F1によるアポトーシスを抑制した。一方、MAGE-L2はこれらの作用を示さなかった。 2)NecdinとMAGE-G1は神経栄養因子受容体p75と結合した。また、NecdinやMAGE-G1の示すE2F1誘発性アポトーシス抑制作用は、p75を共発現させると減少し、その効果は神経成長因子NGFによって増強された。 3)Necdinはアポトーシス誘発作用をもつMAGE蛋白質であるMAGE-D1と結合し、その作用を調節した。 4)父性Necdin遺伝子を変異させたマウスでは、小脳顆粒細胞や脊髄後根神経節細胞でアポトーシスの促進がみられた。 5)MAGEファミリー遺伝子はショウジョウバエでは一種類のみ存在した。遺伝子がコードする蛋白質は成虫複眼のニューロンに存在し、発現量が減少するとアポトーシスを起こした。 上記の結果、NecdinおよびNecdin類似MAGEファミリー蛋白質はニューロンのアポトーシスに対して共通の機構が存在することが明らかになった。また、これらの蛋白質の機能の類似性や相違性は、ゲノムインプリンティング疾患であるプラダー・ウィリー症候群発症の分子機構を知る上で重要な知見と考えられる。
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