2006 Fiscal Year Annual Research Report
血液脳関門を壊さずに脳に抗体、酵素、神経栄養因子を運ぶ方法の開発
Project/Area Number |
16300121
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 健治 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80329698)
|
Keywords | ミクログリア / 脳移行性分子 / コンジュゲート / 脳標的化タグ |
Research Abstract |
研究3年目である本年度は目標とする酵素の脳標的化型を作成することを検討した。リコンビナントS型ヘキソイミニダーゼ(HEX-S)をビオチン化し、ストレプトアビジンを介してビオチン化脳標的分子と複合体を形成させることによって脳標的化型に改変した。これを培養血液脳関門モデルで評価したところ,有為な透過性の増大が確認できたため,新生HEX欠損マウス腹腔に投与したが脳への有効な移行は見られなかった。培養血液脳関門モデルでは透過性が見られたのに対して動物個体で脳へ到達できない原因として投与方法の問題,およびコンジュゲートの安定性などが考えられた。そこで以下の検討を行った。 ・ストレプトアビジン複合体をマウス尾静脈に投与したところ肝臓に多く集積することが判明した。したがって末梢投与した場合,脳循環に到達する前に肝臓にトラップされてしまうと考えられた。 ・放射性ヨウ素で標識した脳移行性分子をマウスに投与すると肝臓での高い代謝分解を受けることが判明した。したがって,個体投与の場合,代謝安定性を考慮する必要がある。 ・このとき、頸動脈投与することによって未分解の分子が脳に移行することが確認できた。 ・脳移行性分子の代謝性分解産物を質量分析により同定して切断部位を特定し,代謝安定型の脳移行性分子を作製した。 ・ストレプトアビジンを介さない脳移行性分子標識反応を開発した。 ・HEXは複雑な構造を持つため、もう一つの目標である神経栄養因子として脳虚血時に神経保護作用を持つG-CSFを選択し,脳標的化改変を行った。現在,Lys残基に脳標的化分子を結合したものが作製できている。
|
Research Products
(9 results)