2004 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役受容体のオリゴマー形成による機能調節機構
Project/Area Number |
16300125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
中田 裕康 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00041830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津賀 浩史 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (00374158)
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Keywords | GPCR / 受容体 / ダイマー形成 / アデノシン受容体 / P2受容体 / ドーパミン受容体 / 7回膜貫通受容体 / ヘテロマー |
Research Abstract |
これまで、Gタンパク質共役受容体(GPCR)は一般的にはモノマーとして細胞膜に発現して、Gタンパク質と1:1の比で共役することで機能していると考えられて来たが、最近になり多くのGPCRが細胞膜上でダイマーとしても存在し、かつ生理的な機能を示すことが明らかになっている。我々はプリン受容体におけるヘテロダイマー形成の役割を明らかにするために種々のプリン受容体サブタイプや他のファミリーのGPCRとの組み合わせで共発現実験をおこなったところ、A_1アデノシン受容体はA_1、P2Y_1、P2Y_2、D_1 dopamine、mGluR_1などとダイマーを形成、またA_<2A>アデノシン受容体もA_<2A>、P2Y_1、P2Y_2、P2Y_<12>、D_2 dopamine、mGluR_5などの各GPCRとダイマーを形成するという結果が得られ、プリン受容体のダイマーを形成する能力の高さが明らかになった。プリン受容体がGPCRの発現もしくは細胞膜へのトランスロケーションにおいてある種のシャペロンとして機能する可能性をも示唆している。一方、グルタミン酸受容体(mGluR1)のホモオリゴマー形成におけるリガンドの役割を、蛍光タンパクを結合させた受容体を用いたFRET実験で検討したところ、細胞内のダイマー形成ドメインの立体構造が細胞外ドメインへのリガンド結合刺激により調節されるということ、すなわち細胞内部の受容体ダイマー配置の変換が外部シグナルを仲介していたことを明らかにした。これらの結果から、神経伝達調節を司るプリン受容体は、種々のGPCR間との直接的な相互作用により、機能を調節することが示唆された。今後は、受容体相互作用の特異性や機構の詳細な検討をさらに推し進める必要がある。
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