2005 Fiscal Year Annual Research Report
Gタンパク質共役受容体のオリゴマー形成による機能調節機構
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16300125
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
中田 裕康 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (00041830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 登紀子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (10415531)
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Keywords | プリン受容体 / アデノシン / 血小板 / 血液凝固 / P2Y1 / P2Y12 / A2a受容体 / ダイマー |
Research Abstract |
プリン受容体におけるヘテロダイマー形成の役割を明らかにするためにプリン受容体サブタイプや他のファミリーのGPCRとの組み合わせで共発現実験をおこない、プリン受容体のダイマーを形成する能力の高さを示したが、生理的作用との関連を明らかにすることが困難であった。そこで、血液凝固をコントロールすると考えられる血小板のプリン受容体系、P2受容体(P2Y_1、P2Y_<12>、P2X_1)やアデノシン受容体(A_<2A>)、に着目して、プリン受容体のダイマー形成と機能の関連性を調べることとした。P2Y_1はGq活性化、ホスホリパーゼCの活性化を介して細胞内Ca^<2+>の濃度を上昇させ血小板の変形、凝集、他の血小板の活性化などに関与し、また、アデニル酸シクラーゼの活性化と阻害にそれぞれ共役するA_<2A>受容体とP2Y_<12>受容体による細胞内のcAMP量の調節が血小板凝集作用に関連する。そこで、これらのプリン受容体を発現させたHEK293T細胞をモデル系として用いプリン受容体間の相互作用が活性調節に関与する可能性を検討した。2種の受容体の組み合わせ(P2Y_1/P2Y_<12>、P2Y_1/A_<2A>、P2Y_<12>/A_<2A>)でプリン受容体を培養細胞HEK293Tに共発現させ、血小板に存在するプリン受容体を培養細胞に再現させた系で免疫共沈降実験、抗体カラムによる精製、蛍光抗体法などをおこなった。その結果、いずれのプリン受容体間においてもヘテロダイマーおよびトリマーの形成が明らかになった。さらに3種のプリン受容体間においてもトリマー形成が確認された。したがって、これらのオリゴマー形成が血小板凝固作用のコントロールをしている可能性が示唆された。今後の課題として、受容体オリゴマー形成による細胞内シグナル伝達の変化、実際の血小板でのオリゴマー形成の有無、血小板凝固での役割の解明などが挙げられる。
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Research Products
(4 results)