2005 Fiscal Year Annual Research Report
線条体機能モジュールの動作原理の解明と視床入力の役割
Project/Area Number |
16300134
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
青崎 敏彦 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究副部長 (70221033)
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Keywords | 線条体 / マトリックス / ストリオソーム / GFP / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
本基盤研究では、線条体ではどのような動作原理で情報処理がなされているのか、大脳基底核で処理されて視床を経て戻ってきた情報は線条体にどのような影響をもたらすのかについて明らかにする。4年の間に達成したい具体的な目標は以下の2点である。(1)線条体内の機能モジュールの全容を明らかにする。線条体全体の神経回路網の性質を明らかにすると同時に、LTS細胞とcalretinin細胞の役割、ドーパミン細胞との関係についても明らかにしたい。(2)視床-線条体投射と線条体機能モジュールとの関係についての研究。視床からのフィードバックが線条体のモジュールの活動にどのような影響をもたらすかについて皮質-線条体-視床スライスを用いたスライスパッチ法および電位感受性色素を用いたイメージングによって正常のマウスおよび遺伝子改変マウスを利用して電気生理学、電位感受性色素イメージング、免疫組織化学を駆使して段階的に達成していく。今年度はTHプロモーターにGFP遺伝子をつないだドーパミン細胞の光るTH-GFPマウスを導入して次のようなことを見出した。(1)黒質からのドーパミン投射(dopamine islandのちのstriosome)に一致してGFP細胞が出現するが、発達が進むにつれてstriosomeとは無関係にGFP陽性細胞は散在するようになる。(2)発生初期の黒質からのドーパミン投射領域はmu-opioid受容体陽性でstriosomeそのものであるが、生後発達に伴ってTH染色では一様になってその存在はわからなくなる。しかし、GFP陽性の明るい領域は生後も残っており蛍光顕微鏡下に明るい領域としてstriosomeを同定することができる。(3)striosome内の投射ニューロンのopioid受容体の性質を調べたところ、EPSPもIPSPもmu-opioid受容体のアゴニストに応答し、抑制された。これは殆ど応答のないマトリックスの細胞と対照的であった。
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Research Products
(1 results)