2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝的亜系およびコンジェニック系統を利用したSHRの量的遺伝子座解析
Project/Area Number |
16300136
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
並河 徹 島根大学, 医学部, 教授 (50180534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 克巳 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (80273499)
加藤 規弘 国立国際医療センター研究所, 部長 (80293934)
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Keywords | 本態性高血圧 / 自然発症高血圧ラット / 量的遺伝子 |
Research Abstract |
脳卒中易発症自然発症高血圧ラット(SHRSP)を用いた遺伝学的解析で、高血圧発症に関与する主要な遺伝子がラット第1染色体上に存在することが明らかとなった。この遺伝子を同定することを目的に、この領域をSHRSPと正常血圧対照ラット(WKY)の間で入れ替えたコンジェニックラット作成とその表現形質探索を行っているところであるが、これには多大な時間と労力が必要となる。 本研究では、第1染色体の高血圧遺伝子存在領域を中心に、高血圧自然発症ラット(SHR)およびWKYの亜系数種の遺伝子型を検索し、コンジェニックラットにおける遺伝子型、表現型と比較することにより、高血圧遺伝子存在領域の効率的な絞込みをはかることを目的とした。SHR亜系6系統,SHRSP亜系5系統、WKY亜系2系統を選び、テレメトリー法による正確な血圧データを得るとともに、上記高血圧遺伝子存在領域における亜系間の遺伝子型比較を行った。高血圧遺伝子が存在する確率が最も高い約30Mbpの領域から約100個のSimple sequence repeat(SSR)マーカーを選び、遺伝子型を調べたところ、この領域内の2箇所で、SHR亜系内、WKY亜系内で多型を認めず、かつ、SHR亜系とWKY亜系との間で多型のみられるSSRマーカーが集積する3〜4Mbpの領域が存在することが明らかとなった。このうちの一方ではコンジェニックラットを用いた検討でも高血圧遺伝子の存在が示唆され、有望な領域と考えられた。 この結果から、亜系の遺伝子型解析により、高血圧遺伝子存在領域を1/10程度に狭めることが可能となった。一方、テレメトリーによる血圧測定により、血圧はSHRSPが最も高く、SHR、WKYの順となった。SHR,SHRSP内ではその亜系間で有意な血圧の差がみられ、遺伝的背景との比較検討を行う価値があることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)