2005 Fiscal Year Annual Research Report
NOGマウスを用いた「ヒト癌誘導微小環境」解析のためのin vivo実験系の開発
Project/Area Number |
16300137
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
上山 義人 東海大学, 医学部, 教授 (30072408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅登 東海大学, 医学部, 助教授 (00164335)
山崎 等 東海大学, 医学部, 助教授 (20191273)
大西 保行 東海大学, 実験動物中央研究所, 研究員 (70201382)
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Keywords | 微小環境 / マウスモデル / NK細胞 / NOGマウス / ヒト癌 |
Research Abstract |
平成17年度の研究では、実験動物中央研究所(実中研)で開発されたNOGマウス(NOD-scid・Il-2Rγノックアウトマウス)にヒト多発性骨髄腫培養細胞株を移植し、これに対するヒトNK細胞の作用を解析できる実験系の開発を引き続き行った。また、ヒト癌細胞株とヒト血管内皮細胞を共生培養しNOGマウスへの移植を行いヒト癌細胞の増殖に対する効果を検討した。 研究1:ヒト末梢血単核細胞よりCD56抗原陽性細胞(NK細胞分画)を集め、非致死量放射線照射後のNOGマウスの尾静脈より移植した(10^6細胞/マウス)。1〜2週間後、FACS解析にてヒトNK細胞の生着を確認した。このhu-CIM-NK/NOGマウスに多発性骨髄腫細胞(10^2〜10^6細胞/マウス)を移植し2〜9週間観察し腫瘍形成能を評価した。結果:ヒト末梢血単核細胞よりCD56抗原陽性細胞(NK細胞分画)を集め、非致死量放射線照射後のNOGマウスの尾静脈より移植したところ、1〜2週間後、FACS解析にてヒトNK細胞の生着を確認した。この多発性骨髄腫細胞の腫瘍形成能を評価したところ、有意に増殖・浸潤が抑制された。本実験系ではヒト骨髄腫細胞がNOGマウス中で骨破壊性の病変を形成し、ヒト病態を良く反映することが明らかになった。さらに、ヒトNK細胞の機能をin vivoで解析できるヒト病態モデルとして有用であることが判明した。また、この系を用いることによって新しい治療法の開発が期待できることが判明した。現在、追加実験を続行中で、来年度中には論文発表する予定である。 研究2:ヒト血管内皮細胞をヒト大腸癌細胞株と共生培養しNOGマウスに移植すると、腫瘍増殖が有意に亢進した。また、間質にはヒト型の血管を含むヒト型癌間質が形成された。来年度に向かい、hu-CIM-ENDO/NOGマウスモデルとして実験系の開発ができる可能性が期待され、研究を継続している。
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Research Products
(2 results)