2005 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞核の細胞周期に応じたクローンラット作製方法の開発
Project/Area Number |
16300139
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
平林 真澄 生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 助教授 (20353435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保地 眞一 信州大学, 繊維学部, 助教授 (10283243)
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Keywords | 核移植 / 細胞周期停止因子 / 活性化 / カルシウム / キナーゼ |
Research Abstract |
p34^<cdc2> kinase活性低下に関わるCalmodulin依存性キナーゼ(CaMKII)の関与: ラット再構築胚において高率に早期染色体凝集(PCC)を誘起させることを目的に、p34^<cdc2> kinase活性を支持する細胞周期停止因子(CSF)を探索した。まず、ラットの系統によって自発的活性化率が異なる原因について、CSFの機能を有すると考えられているMosおよびp34^<cdc2>kinase活性に焦点を当ててCSFの制御機構を検討した。自発的活性化がほとんど認められないSprague-Dawley(SD)由来ラット卵子では、Mosおよびその下流のMEK(MAPKK)、MAPKとも高い活性を維持し、cyclin B量も多く認められた。しかしSD由来ラット卵子をMEK抑制剤のU0126で処理するとMEK/MAPK活性の著しい低下が認められ、多くの卵子が活性化した。一方、多くの卵子が自発的に活性化するWistar由来ラット卵子では、Mos/MEK/MAPKの著しい低下が認められ、cyclin B量も著しく減少した。しかしproteasome抑制剤のMG132で処理したWistar由来ラット卵子ではMosおよびcyclin B量は高く維持され、自発的に活性化した卵子の割合も減少した。以上のことから、ラット卵子に特徴的で、クローン作製の障害となる自発的活性化という現象には、プロテアソームを介したMos/MEK/MAPKおよびp34^<cdc2> kinaseの不活性化が関与していると考えられた。以上の知見を応用し、PCCが効率的に誘起されるラット再構築胚の作製を進めているところである。
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Research Products
(5 results)