2004 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外分光法を用いた筋組織酸素濃度分布の時空間解析装置の開発とその応用
Project/Area Number |
16300142
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 克之 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10088867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 信樹 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (30271638)
川初 清典 北海道大学, 体育指導センター, 助教授 (80026822)
河原 剛一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20125397)
高橋 英嗣 山形大学, 医学部, 助教授 (30206792)
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Keywords | 近赤外光 / 筋 / 組織酸素濃度 / 酸素消費量 / 時空間解析 / 運動負荷 / 顕微分光 |
Research Abstract |
本研究は,近赤外分光法(NIRS)を用いた筋組織筋組織酸素濃度分布のイメージング装置を開発し,運動負荷時の筋組織酸素濃度・飽和度・消費量などの時空間解析を行うことにより,筋組織酸素濃度変化と筋代謝機構の因果関係を解明するとともに,筋を対象とするNIRSイメージング法の確立を目指す. 1.空間分解法を用いた筋組織酸素濃度イメージング装置の開発 小型化とS/Nを考慮した最適な光プローブを設計・試作を行い,血液とイントラリッピドからなる均質ファントムを用いて酸素化・脱酸素化の2状態で試作プローブの性能を確認した.また,脂肪層による測定感度の低下を補正する分光アルゴリズムを決定した.データの取得,筋組織酸素濃度のイメージングを行う計算機処理システムを作成し,時空間解析装置の基本部分を完成させた.32プローブ(96チャンネル)を用いたイメージングで毎秒2フレームと,ほぼ実時間イメージングが可能になった. 2.ヒト運動負荷試験における時間応答解析 上記の時空間解析装置の製作と平行し,1点計測による時間応答解析を実施した.特に,赤/遅筋,白/速筋におけるヘモグロビン・ミオグロビン濃度の部位差,運動負荷時の筋組織酸素濃度・酸素飽和度・酸素消費量の時間応答に着目して測定を行った.測定結果を筋代謝の計算機シミュレーションと比較検討した結果,負荷後の再酸素化の過程で見られる酸素飽和度上昇の遅延現象はミオグロビンの脱酸素化・再酸素化に起因すると推測され,前腕,大腿,前頸骨の各筋で実施した測定結果もこれをほぼ裏付ける結果となった. 3.顕微分光による筋組織酸素飽和度の測定 波長400〜850nm帯の波長を用いて吸光度を測定し,重回帰により散乱成分を除去して酸素飽和度を求めるシステムを試作し,ラット挙睾筋を対象に酸素飽和度イメージングを行った.500nm帯では,径数10ミクロンまでの血管において飽和度を画像化できた.
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