Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 信樹 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (30271638)
川初 清典 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (80026822)
河原 剛一 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (20125397)
高橋 英嗣 山形大学, 医学部, 助教授 (30206792)
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Research Abstract |
本研究は,近赤外分光法(NIRS)を用いた筋組織筋組織酸素濃度分布のイメージング装置を開発し,運動負荷時の筋組織酸素濃度・飽和度・消費量などの時空間解析を行うことにより,運動時の筋代謝機構を明らかにするとともに,筋を対象とするNIRSイメージング法の確立を目指している.本年度は以下の成果を得た. 1.運動負荷時の局所的筋酸素消費量・織酸素濃度・飽和度の時間応答解析 NIRSにより局所的な筋組織酸素消費量を数秒間隔で測定することが可能であり,前年度に引き続き,運動負荷時の局所的酸素消費量の時間応答解析を行った.前脛骨筋を対象に運動負荷プロコトルを2回繰り返し,1,2回目の酸素消費量の時間応答を比較解析した結果,組織酸素飽和度が著しく低下しなければ,運動負荷による酸素負債が局所的酸素消費量に単純に加算されることを,秒オーダーの時間応答解析で実証できた.また,これは筋代謝系のコンピュータシミュレーションによる解析とも合致する結果であった. 2.組織酸素動態の時空間解析 試作した時空間解析装置を用いて,引き続き,種々の運動負荷に対する筋組織酸素濃度分布の時空間応答を解析した.膝伸展運動に下方への踏み込み運動を付加した場合の大腿直筋,外側・内側広筋の3筋群の寄与について,運動強度を変えながら測定した.わずかな運動様式の違いを筋組織酸素濃度の時空間解析により明瞭に把握できることを確認した. 3.測定精度の検証と実用化に向けた装置校正法 多チャネル光プローブに代わりにCCDカメラを用い,空間分解NIRSの定量性に関する検証を行い,光拡散近似の妥当性を確認した.また,イントラリピッドと血液を用いた従来の筋組織ファントムに代わり,取扱が簡便で長期使用が可能なプラスチックファントムを試作し,装置校正面からもイメージング装置の実用化に向けた検討を行った.
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