2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞リズムの階層的相関ダイナミクス:非線形振動子間の協調と破綻
Project/Area Number |
16300145
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河原 剛一 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (20125397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲波 修 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (10193559)
内貴 猛 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (40241385)
山内 芳子 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 助手 (50230313)
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Keywords | 培養心筋細胞 / 拍動リズム / 線維芽細胞 / ギャップ結合 / 細胞外情報伝達系 / リズムゆらぎ |
Research Abstract |
生体には呼吸や心拍など多くのリズム現象が存在している。生体を器官、組織、細胞などから構成される階層性を有するシステムとして捉えると、その最小機能単位である細胞においても様々なリズム現象が認められる。本研究では、細胞全体、細胞質内およびオルガネラであるミトコンドリア・クリステ内という、異なった階層において認められる複数リズム間相互作用、それらリズムの協調と破綻のメカニズムの解明を目指した。昨年度までの研究成果に基づき、本年度は心筋細胞の自発的拍動リズムゆらぎと細胞間相互作用との関連に関して更なる研究を実施し、以下に述べる研究成果を得た。 (1)心筋細胞培養系(CM)および心筋細胞-線維芽細胞共培養系(CM/CF)を確立し、心筋細胞の発達に与える心筋細胞-線維芽細胞間相互作用の解析を行った。 (2)心筋細胞-線維芽細胞共培養系における心筋細胞拍動リズムゆらぎは心筋細胞のみの培養系における拍動リズムゆらぎと比較して、有意に低下していた。 (3)心筋細胞における主要なギャップ結合構成タンパクであるCx43の発現および分布を、Cx43抗体を用いた免疫細胞化学的手法により解析した。その結果、心筋細胞-線維芽細胞共培養系におけるCx43は、心筋細胞培養系と比較して強く発現している傾向が認められた。 (4)心筋細胞-線維芽細胞共培養系に対して、ギャップ結合阻害薬を付加すると、拍動リズムゆらぎが有意に増加した。 以上の結果は、線維芽細胞は心筋細胞の発達、とくに細胞間情報伝達を増加させることで、心筋細胞拍動リズムの安定化に寄与している可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)