2004 Fiscal Year Annual Research Report
血流センサー分子のノックアウトマウス作製とその生理機能解析
Project/Area Number |
16300149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 希美子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00323618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
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Keywords | 流れずり応力 / 血管内皮細胞 / P2X4レセプター / ノックアウトマウス / 機械的刺激感知 / カルシウム / NO産生 / 血圧調節 |
Research Abstract |
1.ノックアウトマウス作製によるP2X4の血管における生理的な機能解析 マウスのゲノムライブラリー(C57Black/6)からP2X4のゲノム遺伝子をクローニングし、P2X4の機能ドメインであるexon3〜5を欠損させる為のターゲティングベクターを構築した。次に、ターゲティングベクターをES細胞に遺伝子導入し、相同組替えしたクローン細胞株を選別した。マウス初期胚へESクローン細胞を導入し、杯盤胞を擬妊娠雌マウスに移植し、キメラマウスを作成した。ICRマウスと交配させ、得られたヘテロマウス同士を交配させ、ホモ遺伝子欠損マウスを得ることに成功した。 2.表現型・生理機能の解析 得られたマウスの組織・器官の表現型の違いや病理変化を観察した所、副腎と生殖器官の発育が未熟であるという所見が得られた。テールカフ法及び、頸動脈に挿入したカテーテルにより血圧を測定した所、ノックアウトマウス群において雄雌共に血圧が有意に増大することを確認した。また、肺組織から血管内皮細胞に特異的なマーカー接着分子であるICAM-2抗体を用いてフローサイトメトリーにより分離、培養した微小血管内皮細胞を用いてin vitro解析を行った。共焦点レーザー顕微鏡を用いて行った細胞内Ca^<2+>測光により、ノックアウトマウスの内皮細胞では、流れずり応力刺激に反応して生じるCa^<2+>流入が消失し、それに伴う内皮細胞からのNO産生も顕著に減少することが確認された。これらの結果から、流れずり応力に反応してCa^<2+>を細胞外から流入させる働きのあるP2X4レセプターをノックアウトしたことにより、細胞内Ca^<2+>上昇により合成される血管拡張物質であるNOの産生が抑制され、遺伝子欠損に伴う生理的な反応として、全身血圧が上昇したと考えられる。
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Research Products
(6 results)