2005 Fiscal Year Annual Research Report
血流センサー分子のノックアウトマウス作製とその生理機能解析
Project/Area Number |
16300149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 希美子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00323618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 流れずり応力 / P2X4受容体 / カルシウム反応 / NO産生 / 血管リモデリング / 機械刺激感知 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
血流センサー分子として同定したP2X4受容体のノックアウトマウスの生理機能解析を以下の通りに行った。 1)血流センサー応答の個体レベル(in vivo)における解析 流れずり応力などの血流変化に対する血管細胞の反応をP2X4ノックアウトマウスの血管で検討した。具体的には動静脈吻合手術及び、動脈分岐の結紮により血流量を増加、又は減少させたとき、血管径の変化などのリモデリングが起こるかどうかを組織標本を用いて観察した。外頸動脈を吻合し、総頸動脈の血流量を約70%に減少させると、野生型マウスでは総頸動脈の血管径の減少が観察された一方、ノックアウトマウスでは、血流減少に伴うリモデリングがおきていなかった。さらに、挙睾筋の細動脈の分岐部をガラスマイクロピペットで圧迫し、血流を停止させると、もう一方の細動脈の血流が約150%に上昇させた際の血管径の変化を生体顕微鏡で観察し、ビデオモニターに記録した。野生型マウスでは血流上昇に伴い、血管径が約50%増加したが、ノックアウトマウスではその反応が有意に減少した。以上の結果から、血流センサーであるP2X4受容体が血流の変化に伴う反応やリモデリングに関与していることが示された。 2)摘出血管(ex vivo)におけるにおける解析 ノックアウトマウスから摘出した腸間膜動脈を灌流する回路を作製し、定量的な流れずり応力を負荷した。野生型マウスでは、流れずり応力負荷に伴う血管径の拡張反応が観察されたが、ノックアウトマウスではほとんど反応しなかった。組織標本により、野生型マウスとノックアウトマウスとの血管組織の違いは確認されず、また、筋組織から生じた反応性には両者に差がなかった。以上の結果はノックアウトマウスの血流依存的な血管拡張反応が傷害されていることを示唆する。
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Research Products
(5 results)