2004 Fiscal Year Annual Research Report
フーリエ変換型蛍光寿命測定装置の開発と顕微腫瘍マッピング診断システムへの応用
Project/Area Number |
16300157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩田 哲郎 徳島大学, 工学部, 教授 (50304548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 勉 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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Keywords | 位相変調蛍光寿命計 / 顕微マッピング / 蛍光寿命 / 分光計測 / 腫瘍診断 / 紫外LED |
Research Abstract |
本研究の目的は、"フーリエ変換タイプ"位相変調型蛍光寿命測定装置の本格的なシステムの構築と、提案手法自体のさらなる改良を行い顕微鏡と結合させて腫瘍診断への応用を展開すること、また、老化組織診断を始めとする他の様々な動的生化学現象の研究、さらに内視鏡診断への応用について検討するである。 研究代表者が考案・命名した"フーリエ変換型位相変調蛍光寿命計"の基本原理は次の通りである。すなわち、光源の変調周波数をある低い周波数から高い周波数まで、短時間幅で掃引し、それに対する試料からの蛍光信号応答波形を、デジタルオシロスコープのメモリー上に同期積算・記憶した後、フーリエ変換を施す。その結果と参照試料のそれとを比較して、周波数領域でのデコンボリューション処理を行った後、逆フーリエ変換を施すことによって、従来の手法では不可能であった蛍光減衰波形を算出する。 そこで、長周期の任意波形が発生可能なパルスパターンジェネレーター(任意波形ゼネレータ)と、メモリー点数の多いデジタルオシロスコープを購入し、システム構築の第一段階として紫外LEDを光源とした高精度蛍光寿命測定システムを完成させた。実際に、白色LED中の蛍光体や標準試料溶液である、硫酸キニーネ溶液およびローダミン6G溶液の蛍光減衰波形を取得した。また、一方で、落射型蛍光顕微光学系下で、人歯および上行大動脈試料の蛍光寿命顕微鏡マッピング測定を行い、測定部位の違いによる蛍光寿命の差異を確認した。 今後は両者のシステムの統合を行い、光ファイバーと内視鏡を使用したリアルタイム腫瘍組織診断システムの構築をめざす。また、フーリエ変換型位相変調蛍光寿命計装置自体の時間分解能と測定精度の向上、励起光源の短波長化に関する開発研究を継続する予定である。
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