2004 Fiscal Year Annual Research Report
小児肥満の病態評価基準作成と肥満改善支援システム開発についての総合的研究
Project/Area Number |
16300195
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
足立 稔 岡山大学, 教育学部, 助教授 (70271054)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖嶋 今日太 吉備国際大学, 保健科学部, 講師 (30341142)
菊永 茂司 ノートルダム清心女子大学, 人間生活学部, 教授 (10148728)
笠井 俊信 岡山大学, 教育学部, 講師 (80335570)
|
Keywords | 小児肥満 / 病態評価 / 肥満改善支援 / システム開発 / 身体活動 / 食事 |
Research Abstract |
本研究は、小児肥満の病態評価基準作成と肥満改善支援システム開発を目的にし,平成16年度は以下の研究を行った。なお,これらの研究は,岡山大学大学院医歯学総合研究科疫学研究倫理委員会の承認を得た上で行った。 1 内臓脂肪蓄積を基準とした小児肥満の病態評価基準の作成の研究 肥満男児208名,女児156名,計364名(平均年齢9.8,平均肥満度53.1%)を対象に,腹部CT測定した内蔵脂肪蓄積量(VFA)と臨床検査結果の関連性を検討した。VFAは,肝機能の指標であるALTと高い有意な正の相関関係(r=0.566,p<0.0001)示した。この関係は,男児のみで解析した場合(r=0.494)に比べ,女児のみで解析した場合(r=0.640)で強い関連性が示された。 2 小児肥満の病態とエネルギー代謝特性の関連性の研究 肥満小児27名(平均年齢10.9歳,平均肥満度51.8%)を対象に,早朝空腹時のダグラスバッグ法による安静時代謝量を測定し,年齢または肥満度との関連性を検討した。安静時代謝量は1005.3±162,6kcal/m^2/dayであり,年齢との間には有意な負の相関関係(r=-0.423,p<0.03)があったが,肥満度との間には有意な相関関係(r=-0.144,ns)はなかった。 3 小児肥満解消支援システムの開発の基礎研究 肥満小児12名(平均年齢10.6歳,平均肥満度52.5%)を対象に,肥満改善支援の一環として,短期教育入院とその後の生活習慣チェックリストを用いたフォローアップを行い,その効果を検討した。肥満教室前と比べフォローアップ6ヵ月後には平均で肥満度が7.9%改善していた。また,肥満度の変化量をとチェックリスト合計得点の変化量の間に有意な相関関係(r=-0.878,p<.0001)があり,生活習慣の変化と肥満度の変化の関連性が示唆された。
|