2006 Fiscal Year Annual Research Report
過度の体温上昇に伴う運動パフォーマンスの低下のメカニズムとその対策
Project/Area Number |
16300208
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 徳彦 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70215458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西保 岳 筑波大学, 人間総合科学研究科, 助教授 (90237751)
古賀 俊策 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (50125712)
斉藤 満 豊田工業大学, 工学部, 教授 (80126862)
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 体温 / 運動パフォーマンス / 静的掌握運動 / 最大随意筋収縮 / 換気量 / 呼吸数 / 体力 / 最大酸素摂取量 |
Research Abstract |
運動時における過度の体温上昇が運動パフォーマンスを低下させることは知られているが,そのメカニズムは明らかではない.したがって,体温上昇に対して抑制されるメカニズムを複数の調節機構から明らかにすることは,体温が上昇しやすい条件下でも運動パフォーマンスを最大限に発揮できる方法を探り出す手段になる.そこで,本研究では過度の体温上昇に伴う運動パフォーマンス低下のメカニズムとその対策を検討するために,1)体温上昇に伴って呼吸・循環・体温・神経調節機構がどのような影響を受けるのか総合的に明らかにする,2)1)の影響が体力レベルでどのように異なるのか明らかにした.特に,本年度は平成16・17年度の結果をもとに,以下の手順で再度総合的にデータ分析を行った. 1.体温上昇に伴う運動時における身体調節機構の抑制のメカニズム.運動を継続するために循環・体温調節機構に充分な余裕があったとしても,運動時の体温が過度に上昇すると静的掌握運動の継続が抑制される.また,呼吸調節や交感神経活動が体温により亢進し,特に換気亢進により脳への血流が低下する可能性が考えられた. 2.1.の抑制と運動トレーニングとの関係.過度の体温上昇に伴う静的掌握運動継続の低下は最大酸素摂取量との関連は明確ではなく,温熱負荷時の循環・体温調節の負担度と一部関係していた.一方,体温上昇に伴う換気亢進反応は有酸素能力と負の相関関係にあった. 以上のことから,過度の体温上昇が呼吸・循環・体温・神経調節に全て影響するため,暑熱順化を利用して体温上昇や生体負担度を軽減させ,また,運動と運動の間の休憩中などに皮膚表面の温度より体温を下げ,運動時の体温上昇を少しでも抑える重要性が指摘された.
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Research Products
(3 results)