2004 Fiscal Year Annual Research Report
いじめ予防のための包括的ストレスマネジメント教育プログラムに関する研究
Project/Area Number |
16300221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山中 寛 鹿児島大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (60182581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅野 正信 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (50203584)
服巻 豊 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (60372801)
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Keywords | いじめ / ストレスマネジメント教育 / 予防 / 居場所感 / 抑うつ感 |
Research Abstract |
いじめを予防するためには、いじめの実態をいかに把握するかが重要になる。そこで、まず2004年11月から12月にかけて鹿児島県内の普通科高校と実業系高校において高校生計418名を対象に、いじめに関する質問紙調査を行った。具体的には、いじめの体験を直接体験と間接体験に分けて、小学校時代、中学校時代、高校時代の「いじめた体験」「いじめられた体験」「いじめ見聞き体験」といじめられた時の対処方法について調査した。また、いじめの直接体験と間接体験が心理的要因にどのように影響しているかについても調査した。有効回答者308名(有効回答率73.7%)を対象に、居場所感や抑うつ感等を従属変数として、2〔男・女〕×2〔体験あり・体験なし〕の2要因分散分析を実施し、次のような結果を得た。 (1)「いじめた体験」が有るのは、小学生時代76名(25%)、中学生時代48名(16%)、高校生時代18名(6%)であり、小学生時代が最も多かった。 (2)「いじめられた体験」が有るのは、小学生時代62名(20%)、中学生時代44名(18%)、高校生時代12名(4%)であり、小学生時代が最も多かった。 (3)「いじめ見聞き体験」が有るのは、小学生時代187名(61%)、中学生時代205名(67%)、高校生時代103名(33%)であり、中学生時代が最も多かった。 (4)小学校時代から高校時代のいずれかの時に「いじめられた体験」が有ると答えた74名に対処方法を尋ねたところ、「我慢する」が最も多く、いじめられている事実を打ち明ける場合の相手としては両親がもっと多く、教師は最も少なかった。 (5)「いじめられ体験」が有る生徒は、抑うつ感が高く、クラス内での孤立感が高いことが明らかになった。 以上の結果より、いじめの実態把握をするときには直接体験だけではなく間接体験を調査する必要があること、クラス内での居場所感や抑うつ感等など心理的要因を把握することによっていじめの有無を把握する可能性があることが示唆された。
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