2005 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギーバランスの変動をもたらす日常生活環境要因の定量化に関する研究
Project/Area Number |
16300227
|
Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
柏崎 浩 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 栄養所要量研究部, 部長 (60004735)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 茂穂 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 室長 (50251426)
高田 和子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 主任研究員 (80202951)
二見 順 東日本国際大学, 経済学部, 助教授 (60258829)
李 廷秀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60292728)
勝川 史憲 慶応義塾大学, スポーツ医学センター, 講師 (60194784)
|
Keywords | エネルギーバランス / 人間生活環境 / 二重標識水法 / ヒューマンカロリメーター / 生活活動・行動 / 肥満管理介入 |
Research Abstract |
体重変動および肥満への移行についての定量的評価、さらにその要因の整理は十分になされているとはいえない。エネルギー・バランスの短期的・長期的変動をもたらす要因として、1)温熱環境による産熱変動、2)職業・余暇活動の時期的特性の変動、3)その他の生活様態の変動、が複合的に関与していることを考慮して、統合的に定量化することが本研究の目的である。 昨年度の研究に引き続き以下の測定・分析を行った。 1.体重と日常生活環境温湿度のモニターおよび生活時間・身体活動量調査: 地域に居住する60歳以上の婦人17名が測定・調査協力に同意し、身体活動量、体重のモニター、日常生活で個人が曝露されている温湿度環境モニター、生活時間調査および二重標識水によるエネルギー消費量の測定を実施した。第1回目の測定・調査は2005年9月下旬から10月上旬にかけて行った。同一対象者について、2006年2月中旬より3月上旬まで、2回目の測定・調査を実施した(15名完了)。データは分析中であるが、同一対象者の繰り返し測定という特徴を活用して、エネルギーバランス変動とその要因にかかわる詳細な分析・解析を行う予定である。 2.ヒューマン・カロリメーターによる異なる温度環境下でのエネルギー消費量・身体活動量の測定 今年度は、20〜40歳代の男性12名を対象とし、ヒューマン・カロリメーターの室温25℃で夏、冬に繰り返し測定を行った。基礎代謝量、睡眠時代謝量(8時間値、3時間値)、座位安静時代謝量、いずれも夏期および冬期測定値に有意差は認められなかった。 3.肥満者を対象とする体重モニターと肥満管理効果の評価・検討 肥満を伴った境界型〜2型糖尿病で食事療法をうけた42名について、後向きコホート的に2年間の測定値を分析・整理した。予測基礎代謝量(Harris-Benedict式)をもとに、高度食事制限群(男15女4:予測基礎代謝量×1.1未満の指示エネルギー)と中等度食事制限群(男16女7:予測基礎代謝量×1.1以上の指示エネルギー)に分け比較検討した。どちらの食事制限も体重減少を認めたが、極端に厳しいエネルギー制限(高度食事制限群)では6ヶ月以降,予測体重減少量よりもはるかに小さい減少にとどまっていた。血糖、HbA1cは,両群共に全期間を通じて改善傾向を認めたが,高度群では一年後以降上昇する傾向があり、継続可能性が介入・管理において考慮すべき重要な要因であることが示唆された。
|