2004 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県八重山群島において伝承的に食されてきた野菜・果物に含まれる抗酸化成分の解明
Project/Area Number |
16300238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
中谷 延二 放送大学, 教養学部, 教授 (10011941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊崎 泰枝 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 助教授 (60291598)
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Keywords | 沖縄産野菜 / リュウキュウヨモギ / 抗酸化性 / フラボノイド / ヒハツモドキ |
Research Abstract |
沖縄県は平均寿命が長く、過去20年間の生活習慣病(脳血管疾患・心疾患・悪性腫瘍など)による死亡率は全国平均に比べはるかに低い。この健康・長寿に関わる因子の一つに、沖縄型食生活・食材が大いに関与しているものと考え、沖縄において伝承的に伝わる食習慣に着目して老化抑制・生活習慣病予防効果を有する食素材があると推定される。特に生体内酸化ストレスに誘発される生活習慣病を食素材によって抑制されていると考えた。本研究は亜熱帯性気候地帯に位置する八重山群島に産する野菜・果実などに含まれる抗酸化成分を探索し、その機能活性成分を単離し、化学構造を解明することを目的とする。伝承的に用いられてきた八重山群島の食素材(主に野菜、果実、香草など)について、現地(石垣島、西表島、与那国島など)に赴き、食習慣、摂取状況、調理法などを聞き書きして調査した。それを踏まえて、いく種かの食用植物を選抜して抗酸化活性を測定し、スクリーニングした結果、ボタンボウフウ、リュウキュウヨモギ、ヒハツモドキ、ノニなどに高い抗酸化活性を認めた。リュウキュウヨモギ(Artemisia campestris)は沖縄ではハママーチと呼ばれ健康茶として広く飲用されている。試料を極性の異なる溶媒で抽出し、分画した。強い抗酸化活性を示した70%アセトン水溶液抽出物のブタノール可容画分を各種クロマトグラフィによって精製した。精製・単離された化合物を構造解析した結果、フラボノール配糖体、クロロゲン酸類縁体、安息香酸類縁体など多数のポリフェノールを構造決定した。あわせてフラボノイドの2量体構造を持つ新規化合物を見出した。さらにヒハツモドキ(Piper retrofractum)には抗酸化活性とともにエーリッヒ腹水癌細胞に対する強い細胞毒性活性も認めた。
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Research Products
(1 results)