2005 Fiscal Year Annual Research Report
天然抗酸化剤アスタキサンチンによる糖尿病合併症抑制の基礎および臨床に関する研究
Project/Area Number |
16300240
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 正舒 自治医科大学, 医学部, 教授 (40161286)
黒木 昌寿 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90215096)
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Keywords | アスタキサンチン / トコフェロール / トコトリエノール / アスコルビン酸 / 糖尿病 |
Research Abstract |
前年度は、糖尿病ラットにおいて、アスタキサンチンはセサミンと併用することにより節約効果がみられ、生体内の過酸化反応を抑制し糖尿病合併症の抑制に有効であることが明らかとなった。本年度は引き続きアスタキサンチンを中心に、他の抗酸化剤であるトコフェロール、トコトリエノール、およびアスコルビン酸との相乗効果について検討した。その方法としては、生体内でアスコルビン酸を合成できないODS雄ラット(体重約260g)にSTZ(50mg/kg体重)を投与して糖尿病ラットを作製し、(1)対照群(抗酸化剤なし;C群)、(2)アスタキサンチン100ppm投与群(Asta群)、(3)アスタキサンチン100ppm+アスコルビン酸3000mg投与群(AsA群)、(4)アスタキサンチン100ppm+トコフェロール100ppm投与群(α-Toc群)、(5)アスタキサンチン100ppm+トコトリエノール100ppm投与群(Toco-3群)に分け、約4ヶ月間飼育した。その間、ラットの体重、飼料摂取量、尿量を測定し、解剖後は血糖値、糖化ヘモグロビン、過酸化脂質、8-OHdGなどを測定した。その結果、対照群との比較において、次のことが明らかとなった:1)肝臓中の過酸化脂質(CL値、TBA値)は、α-Toc群、Toco-3群では有意に低値を示した。2)腎臓中のCL値と尿中の8-OHdGは、α-Toc群では有意に低値を示した。3)AsA群の腎臓および肝臓中CL値、尿中の8-OHdGは高値を示した。これらの結果から、アスタキサンチンとα-トコフェロールまたはトコトリエノールとの併用は、生体内の過酸化反応を抑制することが明らかとなり、特にα-トコフェロールとの併用では抑制効果が高いことがわかった。しかし、アスコルビン酸の大量投与では酸化促進作用がみられることも示唆された。 なお、アスタキサンチンの臨床への応用試験については、現在検討中である。
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