2004 Fiscal Year Annual Research Report
モバイル技術とセンシング技術を用いた地域連携型環境問題学習支援の実践研究
Project/Area Number |
16300248
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 雅則 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90280560)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 助教授 (40192025)
稲垣 成哲 神戸大学, 発達科学部, 教授 (70176387)
山口 悦司 宮崎大学, 教育文化学部, 助教授 (00324898)
|
Keywords | 協調学習支援 / 物理世界と仮想世界の統合 / センシングボード / 携帯端末 / 個人空間と共有空間の統合 |
Research Abstract |
今年度は、拡張現実感手法を応用することによる、没入感の高い協調学習支援システムの構築を進めた。まず、地域の実情をシステムに反映させるため、環境シミュレーションモデルを構築した。各地域において特有の環境問題、学習者に学んでもらいたい知識、産業とのトレードオフ、地理的・気候的条件と環境問題との関連について、検討した。その結果を踏まえ、環境汚染(大気汚染、水質汚染、ゴミ排出量等)、地域経済(都市の財政、産業、人口等)、地理的条件(河川、海等)、気候(風、気温等)について、シミュレーションに取り入れるパラメータ、およびそれらの関係を決定した。また、シミュレーションモデラを構築し、各地域に対応したシミュレーションモデルを容易に構築できる方法を検討した。これらの作業は、提案システムの実証実験を行う小学校の教師とともに行った。 次に、すでに構築済みプロトタイプシステムの機能上の問題点を解決した。提案システムは、センシングボード上では物理的なコマを他者と協調しつつ配置することで都市計画を行い、その配置情報を基にコンピュータシミュレーションを行った結果を、学習者に対するフィードバックとして視覚的に表示する。一方、各ユーザのPDAには、センシングボード上のコマの配置が、アイコンとして表示されており、それを移動、追加、削除することで、都市設計を行うことができる。PDAでは学習者個人の思考を支援するために利用される。例えば、ボード上での他者との議論で得られたアイデアを、個人的なシミュレーションを通して、その有効性を確かめることができる。プロトタイプシステムでは、PDAによる計算負荷が高いため、個人で行うシミュレーションの結果表示やユーザの操作に対するフィードバックに遅れが出る。そこで、数値演算を担当する計算用サーバで計算を行うよう、システムアーキテクチャを変更し、上記の基本的な機能が円滑に実行できるようにした。
|
Research Products
(3 results)