2005 Fiscal Year Annual Research Report
古墳や洞窟遺跡の保存に関する研究-水の影響とその対策-
Project/Area Number |
16300289
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
石崎 武志 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 部長 (80212877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 千絵 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・生物化学研究室, 室長 (40215885)
木川 りか 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部, 主任研究官 (40261119)
登尾 浩助 明治大学, 農学部, 助教授 (60311544)
武田 一夫 帯広畜産大学, 畜産科学部, 教授 (80374768)
犬塚 将英 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 保存科学部・物理研究室, 研究員 (00392548)
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Keywords | 古墳 / 洞窟遺跡 / 微生物制御 / 水分分布 / 気象観測 |
Research Abstract |
本年度も、高松塚古墳墳丘部分の含水率の測定、降水量などの微気象観測を継続的に行った。これに加えて、墳丘部の水分移動特性と石室内の湿度の関係を明らかにするために、墳丘部でボーリングにより採取した土の水分特性の測定、熱伝導率などの熱物性の測定を行った。下図には、測定した墳丘土の熱伝導率と飽和度(間隙を水分が占める体積割合)を示している。 現在、石室内壁面の生物対策として、墳丘上面と石室下面に冷却パイプを挿入し、墳丘部の冷却を行っている。この冷却方法を決定するに当たっては、次の5つの方法について、冷却効果などの詳細な検討を行った。1)盗掘口から石室を冷却する、2)取合部を冷却することにより石室を冷却する、3)墳丘部に冷却管を設置し、外部から冷却する。4)墳丘部に冷却シートを設置し、石室の外部から冷却する、5)墳丘表層部と石室の下部に冷却管を設置し、石室の外部から冷却する。 石室部分の温度変化に関するシミュレーションには、測定された墳丘部の含水率や熱伝導率などの熱物性値を用いた。シミュレーションにより、今後の石室部分の温度変化の状況が予測され、本検討結果を高松塚古墳の緊急的な生物対策の基礎資料とすることができた。 次年度は、これらの手法を用い、日本の他の古墳の墳丘部分の水分特性の把握および墳丘内の水分移動に関するシミュレーションなどを中心に研究を進める予定である。
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